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高尾の家
ハチが高尾の家に帰ると、そこには椅子に座って本を読んでいる高尾がいた。
高尾の名前は高尾・フレサンジ・三太。
製造番号はNH‐59999。
成人した年は七才。
人間の製造は十四年前に中止になったから、多分この世界で最年少の人間。
「その子は?」
高尾はナナを見てそう言った。
「ナナ」
「え? ……あぁ、名前をつけたんだね」
「そう」
「拾ってきたの?」
「そう」
「そうか……それじゃ、ハチが拾ってきたんなら、その子の面倒はハチが見るんだよ」
ハチは高尾に拾われた。
ハチは高尾に色んな事を教えてもらった。
ナナはハチが拾った。
だから、ナナに色んな事を教えるのは、多分ハチがする事なのだろう。
だから、ハチは高尾に「分かった」と答えた。