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リターナ  作者: 如月由縁
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みなぎるちから?

 ナナにはクリスがこの崖の下に行きたいのだと言う事が分かった。


 今までのクリスの行動を分析してきた結果、ナナはクリスが何をしたいのかが理解できるようになってきていた。


 それにナナにはクリスの感情を感じる能力があったので、クリスがどうしたいのかを理解する事ができたのだ。


 ナナはクリスの希望を叶えたいと思った。


 クリスではこの崖を降りる事はできないが、ナナにならばこの崖を降りる事ができる事を知っていた。


 だからナナはその感情がおもむくままにクリスを担ぎ上げ、崖から飛び降りた。


 崖から飛び降りたナナは、そこで今までに無い感情が溢れてくるのを感じていた……




 快い気持ち? そう、これは快い。


 空を飛ぶのは快い。落ちていくのはむずむずするけれども快い。


 爽やかな気持ち? そう、これは爽やか。


 風を感じるのは爽やか。風が身体を抜けていくのは爽やか。


 力強い気持ち? そう、これは力強い。


 身体を動かすのは力強い。身体の潜在能力を発揮して、大地を蹴るのは力強い。


 興奮の気持ち? そう、これは興奮。


 自然に挑むのは興奮する。自然に打ち勝つのは興奮する。


 身体を動かすのは快い。


 身体を動かすのは爽やか。


 身体を動かすのは力強い。


 身体を動かすのは興奮する。


 身体を動かすのは気持ち良い!


 ナナは身体のおもむくままに空を翔け、大地を蹂躙し、崖の下を目指し続けた。


 ナナは自分の身体が発揮する能力に酔いしれ。陶酔していた。


 だからナナの上でクリスが失神しそうなほどに恐怖を感じている事にも、ナナは気がつかなかった。

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