くるしいこころ?
雨の中で踊り続けていたナナは、急に息苦しさを覚えて踊る事をやめた。
ナナの瞳にクリスの姿が映る。両膝を抱え、小さく丸まっているクリス。
それを見て、ナナの心に新たな感情が湧き出した……
苦しい気持ち? そう、あれは苦しい。
クリスは苦しい。クリスは寒いから、だから苦しい。
悲しい気持ち? そう、あれは悲しい。
クリスは悲しい。クリスは一人だから、だから悲しい。
つらい気持ち? そう、あれはつらい。
クリスはつらい。クリスは不安だから、だからつらい。
クリスを見ていると、ナナは苦しい。クリスが苦しいから、ナナも苦しい。
クリスを見ていると、ナナは悲しい。クリスが悲しいから、ナナも悲しい。
クリスを見ていると、ナナはつらい。クリスがつらいから、ナナもつらい。
苦しいのは嫌だ。悲しいのは嫌だ。つらいのは嫌だ。
苦しいのは心が重くなるから嫌だ。悲しいのは胸が潰されるようだから嫌だ。つらいのは自分が消えてしまいそうだから嫌だ。
ナナはクリスに楽しい気持ちになって欲しかった。
クリスが楽しくないと、ナナも楽しくない気持ちになるから、だからナナはクリスに楽しい気持ちになって欲しいのだ。
クリスは寒くて一人で不安だから楽しくない。
だからクリスが楽しい気持ちになるには、温かくて、ナナが側にいて、安心できる場所があればいいのだ。
だからナナはクリスの手を取って走り出した。
温かくて、安心できる場所を目指して。
その場所は空の知識が教えてくれる。