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リターナ  作者: 如月由縁
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高尾の日記・その三

 今日はハチとナナと一緒にハチのお気に入りの場所に行った。


 ハチとはよくその場所に行っているけれども、今日はナナも一緒だったから何か起こるかと考えたけれども、ナナは僕の側でじっとしていたし、ハチはいつもどおりじっと湖の底の古代建造物を見ていたし、特にいつもと変わるところは無かった。


 つまり今日は何の変哲も無い平和な一日だったと言う事だ。


 ここまで書いて思ったけれども、今日の日記は本当に日記らしい日記のような気がする。


 最近の僕の日記は僕の研究ノートみたいになっていたから、前のページと見比べて自分でもちょっと笑ってしまった。


 けどまあ、たまにはそれもいいかもしれない。


 でも、これだけだとなんだから、やっぱり少しだけ今までの事をまとめておこう。



・ナナが来てから一週間のまとめ


1.ハチがナナの世話をするようになった。


2.ハチの知性は変わらず。


3.ナナは自力で動けるようになった。


4.ナナは未だ喋らない。




 特筆すべきは3だろう。ナナはここに来てたったの三日で自力で動くようになったのだ。


 考えられる原因は、ハチは同族だから身体の動かし方を教えるのが上手かったのと、ナナはまだ放棄されたばかりで身体が固まってなかったせいだろう。


 僕がハチを連れて来た時、ハチの身体はガチガチに固まっていた。


 原理は分からないが、リターナは動かなかったり肉体的な危機に陥ったりすると身体が金属のように硬くなって一種の冬眠状態に入るようなのだ。


 話を戻すと、ナナが三日で自力で動くようになったのは驚いたけれども、ナナの変化はそこで止まってしまった。未だに一言も言葉を喋らないし相変わらず目は虚ろなまま焦点が合っていない。


 ハチが言葉を喋った時は特に気になることはなかったのだが、喋る様になるにはなにか刺激が必要なのかもしれない。


 けど、僕から試すよりもハチに任せた方が楽しそうだから、しばらくはこのまま観察を続けるとしよう。


 以上、本日の日記終了。

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