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恋人たちのサンドイッチ
ある若い社会人カップルが、いつもの忙しさから少し離れて、「喫茶シャングリラ」にやって来た。
テーブルに置かれたメニューには、懐かしさを感じる品々が並んでいた。
「私はミックスサンドにしようかな。」
「じゃあ、僕はホットサンドにするよ。」
料理が運ばれてくると、彼女はミックスサンドのふんわりとしたパンに、シンプルな玉子とハムの味わい、トマトとキュウリのフレッシュさに癒された。
一方、彼はホットサンドを一口かじり、カリッとした食感と中のとろけるチーズの絶妙なコンビネーションに満足げな表情を浮かべた。
2人の目と目が合い、言葉を交わさなくても通じ合うものがあった。その瞬間、喫茶店の柔らかな空気が2人を包み込んた。外の喧騒や仕事のことはすべて遠のき、ただお互いの存在だけがそこにあった。
「素敵なところに連れて来てくれて、ありがとう。」
「君と一緒に来たいってずっと思っていたんだ。むしろ、一緒に来てくれてありがとう。」
食後のブレンドコーヒーを飲みながら、2人は笑顔を交わした。