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訪日観光客とコーヒーゼリー

 イギリスから観光に来た彼女は、昭和レトロな喫茶店を探して、「喫茶シャングリラ」にたどり着いた。

 彼女は学生時代、留学で日本に滞在したことがある。その時お世話になったホストファミリーがデザートにコーヒーゼリーを出してくれた。イギリスでは経験したことのなかったあの味わいが忘れられない。


 元店主の祖父ではなく、孫娘の店主が流暢な英語で対応する。

 コーヒーゼリーに生クリームをトッピングして、ブリティッシュレディの前に置く。

「ゴージャス!」彼女は心を躍らせる。


 コーヒーゼリーを一口食べる。その瞬間、留学時代の様々な思い出が込み上げてくる。親元を離れて心細い彼女に寄り添ってくれたホストファミリー、彼女の拙い日本語を根気強く理解しようとしてくれた友人たち。コーヒーゼリーの苦味と甘味の層が、彼女の辛かった経験や、それを上回るかけがえのない出会いを思い出させる。


「元気にしていた?」初老の夫婦が「喫茶シャングリラ」に足を踏み入れる。

「会いたかったよ」彼らはぎゅっと抱きしめ合った。

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