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超短編集!  作者: 七宝
6/11

奈落

 恐ろしい夢を見ました。父が死ぬ夢です。誰かが死ぬ夢って本当に嫌ですよね。怖い夢を見たら誰かに話すといいと聞いたことがあるので、ここに記させていただきます。


 父と私は10年くらい前の姿で一緒に散歩をしていました。見たことのない場所でしたが、田んぼがたくさんある、のどかなところでした。2人で仲良くお話をしながら歩いていると、後ろから自動車が走ってきました。あまり広い道ではなかったので、父は用水路と田んぼの間にあるちょこっとしたところに飛ぼうとしていました。


 私はというと、なぜか道の幅が広がったので、その場で待機することにしていました。夢ってこういうことが起きても何も不思議に思わないから面白いですよね。


 父は飛びました。用水路を超え、間のところに着地出来そうです。父の足が着くか着かないかのところで用水路のふちがヒュンっと動いて、父は用水路に落ちました。私はあわてて用水路を覗き込みました。さっきまで見えていたはずの底が見えません。父は奈落の底に落ちてしまったのか、と思いました。そこで私は目を覚ましました。


 携帯電話に着信が入っていました。母からです。3分前なので、本当に今の今です。私はすぐにかけ直しました。


「もしもし、ごめん、寝てた」


「お父さんが危篤なの、すぐに〇〇病院に来て!」


 私が着いた頃にはもう父は亡くなっていました。父は私の夢に、自分はもう生きられないということを伝えに来たのでしょうか。あの夢の通りならば、父は地獄に落ちたのでしょう。まあ、悪いやつだったので仕方がないです。

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