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欠点を明かすという利点

 宣伝は綺麗事で溢れかえっている。

 通販がその典型的例です。商品が包丁であれば「切れ味がよい」「刃こぼれしない」「洗いやすい」「使いやすい」など。これ以上ないぐらいに褒めちぎり、値段は安く見えるように演出する。


 僕だけでなく、多くの人がこのパターンに飽きつつあるのではないか。つまり、綺麗事だけを言う宣伝に対して飽きてはいないか。こういうことは、通販に限らず、物を売る行為に付きまとう綺麗事である。


 商売以外で考えると、選挙カーもそうである。「増税は、福祉にあてます」「教育を無償化します」「経済を活性化させます」など。有権者にプラスことをしか言わない。「増税します。みなさまに負担をおねがしますが、それによって日本の借金を少しでも減らしたいのです」と、切実にお願いする人は聞いたことがない。みんな、有権者にプラスになりそうなことしか言わない。

 僕たちは、商売も選挙カーも綺麗事を言うものだと思っているから、もう慣れている。僕は、聞きたくすらない。


 綺麗事だけでは怪しいと思うものである。絶対に儲かる話は、詐欺の入り口と同じように、いいことだけでは騙されることをみんな知っている。実際に包丁を使ってみると、最初は切れ味がいいが、すぐにダメになることは多々ある。そして、綺麗事だけではないことを知る。だけど、次に商品を買うときには、また綺麗事に釣られて買ったりするのだ。


 綺麗事をすればするほど、怪しい。宣伝は、売れないから宣伝していると思えてくる。売れるのなら、わざわざ宣伝費を使って、宣伝を繰り返す必要はない。今の時代であれば、噂がSNSを通じて勝手に広まる。ますます、宣伝をする必要がない時代になっているはずだ。


 将来は、多くの人が宣伝をあてにしない時代になるのではないか。

 強いて言えば、「この商品は〜の欠点はありますが」という自虐的な宣伝があれば、少しは人々が耳を傾けてくれるかもしれない。「こんなに金額が高いのは、〜という特徴を保つためです」と、正直に教えてくれると僕なら買いたくなるかもしれない。

 つまり、欠点が利点になるのである。そういう発想の宣伝を聞いてみたい。



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