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愚痴を言うから、愚痴を思いつく

 怒っている顔をしている人は、どこにでもいる。別に怒っているわけでもないはずなのに、普段の顔がすでにこわい。他人であれば、近づきたくない。

 

 こわい顔の持ち主は、しばしば普段からおこったり、憎しみを表情に出している。だから、顔がおこっているように見える。顔の筋肉が、その使い方で発達してしまったのである。

 逆に、いかにもやさしそうな顔の人は、日常生活で怒りなどの負の感情を露わにしない。だから、怒りっぽい人とはちがう顔の筋肉が発達し、穏やかな顔になる。


 つまり、恐いから恐い顔になり、優しいから優しい顔になる。普段の人となりが顔に現れる。


 もちろん、いつだってこの法則が成り立つわけではない。生まれつきそういう顔で生まれた人もいるかもしれない。表情は、化粧やそのときの気分でもある程度は変わる。だから、あまり極端に受け取らないでほしい。そうしない、この話に差別的な雰囲気が漂う。


 この話は、愚痴でも当てはまる。

 しばしば愚痴は、「愚痴があるから、愚痴を言いたくなる」と思われている。愚痴を言う人に、「どうして、そんなに愚痴をこぼすの」と聞けば、「あいつが悪いんだ」といって、外に原因があることを主張する。つまり、「あいつが原因で、私は愚痴をこぼしたくなる」と。


 僕は逆だと思う。

 「愚痴を言うから、愚痴を思いつく」のである。つまり、原因は外ではなく自分にある。


 ある時、知り合いが愚痴を僕に話すから、それに乗せられ僕も愚痴を吐くようになった。すると、今まで以上に愚痴が貯まるようになるのである。これは、不思議である。愚痴を言うようになると、不満や不平に対して敏感になり、ちょっとした不満がすぐに愚痴としてカウントされ、脳裏に残るのである。

 愚痴をいえば言うほど、愚痴を言うための回路がスムースになり、ますます愚痴が自分の内から出てくるのである。

 

 筋肉は使えば使うほどに大きくなる。愚痴も言えば言うほど、愚痴が大きくなる。


 愚痴を言うのをやめたいのであれば、これから愚痴を言わないほうがいいと思う(愚痴を言う時の顔はどんな顔だろうか。愚痴をよく言うと、愚痴を言うときの顔が普段の顔になるかもしれない)。

 もし解決したい問題が目の前にあって、誰かに言わないと解決しないのなら、裏で言うのはやめて、冷静に丁寧な表現で直接その問題点を言うしかない。それができないからといって、愚痴や悪口を言うのは、自分の勇気のなさの証明である。


 最近は、SNSや掲示板が愚痴の吐け口になっていると感じる。そろそろ、愚痴が感染しそうだ。閲覧を控えようと思っている。



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