哲学ってなんでしょうか。
大学で哲学を専攻しています(もうすぐ過去形になると思う)。しかし、哲学とは何かと言われたら困る。
自分が哲学を専攻していることを知ると、多くの人は「哲学って何を勉強するの?」と聞かれます。その度に考えて、「うーん、まぁ役に立たないことです」と答えることもあれば、「えーと、常識を疑うこと」と真面目に回答することもあります。でも、どちらが正しいのかと聞かれたら、どちらも間違っているのが本音のところです。
かつて哲学は、真理を追求する営みでした。私たちは、見間違いや勘違いをします。そのような過ちから離れて、真理それ自体を正確に捉える、それが哲学の目的でした。しかし、ニーチェ以降、伝統的な哲学像はあやしいものに見えてきました。「そもそも、真理が存在するという前提は、どこからやってきたのか・・・」と。
かつての哲学の前提に反対する時代を「反哲学時代」とすれば、いまは反哲学時代が主流のときだといえます。そもそも、「哲学者が真理を発見しました」というニュースを誰が信じるでしょうか。哲学者が「私が真理を暴くのだ」と言うのは、滑稽に響くのでは。
そういう時代なのです。そのとき、哲学は何をしているのでしょうか。私には断言できるほどの答えがない。「哲学は真理の探求」と言い続けてもいいし、「常識を疑う試み」と言ってもいい。しかし、前者は哲学を時代遅れにしていると思えるし、後者は哲学でなくてもできる試みです。哲学は「役に立つ」と思います。しかし、それは哲学固有のものではない。英語を学べば英語を話すことができるのとは違います。哲学を学ぶと論理性や思考力が上がると思います。でも、それは哲学でなくともできます。
ただ断言できることは、「哲学」は「すばらし言葉の集積」でも、「個人の考え方を意味するもの」でもありません。「社長の哲学」というような「哲学」という言葉の使い方は、ただ「考え方」を意味するに他ならず、学問としての「哲学」とは異なります。もちろん、「ニーチェの言葉」「ヴィトゲンシュタインの言葉」なるものは学問としての哲学本ではない。それだけは断言できます。




