良い子は真似をしないでね。
「良い子は真似をしないで」という言葉が、ある時から使用され始めた。テレビ以外では、あまり触れることのないフレーズである。お菓子などの袋のパッケージにも記載があるかもしれない。
で、ふと疑問になるのは「なぜ良い子だけに向けて言っているのだろうか?」。悪い子も真似はしないほうがいいのではないだろうか。それとも、伝えている側は、「どうせ、悪い子に言っても、言うことを聞かないだろう」と判断し、最初から諦めているのだろうか。だとしたら、「良い子は真似をしないでね」は、少し差別的な表現に思えてくる。
さらにいえば、良い子は、注意喚起をされなくとも真似をしないのではないか、それが良い子だと僕は思うのだが。伝える側が考える良い子というのは、そこまで考えることができない人を「良い子」と呼んでいるのかもしれない。
この問題を回避するために、「良い子は真似をしないでください」を「みなさん、真似をしないでください」にすればいい。しかし、「みなさん」と言いつつも、伝える側がその危険なことをしているというのは変だといえる。受け取った側は、「なぜ、あなただけしてよいのか」と考えるかもしれない。
となると、結局は「なぜ、これが安全に行えているのか」を説明さえすればいい。「・・・の理由で安全が確保されているといえます、その環境を整えることができない人はおやめください」と。しかし、これだとテレビだと冗長で、喚起する気にならないだろう。バラエティ番組であれば、水を差す表現で、テレビが面白くなくなるかもしれない。
ああや、こうや考えてみると、注意喚起とはなかなかおかしなものだと思えてきた。ドラマで殺人シーンが流れても、そのときに注意喚起は流れない(個人的にはしなくても、いいと思う)。注意喚起が流れなくとも、良い子も悪い子も真似はしないだろう。よっぽど悪い子が稀に現れて、そういうことをするかもしれないが、おそらくドラマでシーンを見ずとも、同じことをするだろう。
畢竟、「良い子は真似をしないでね」は、ただ建前なのかもしれない。言葉のオモテだけで、内容は特別ない。たんに流れている。それだけ。だとしたら、流さなくてもいいように思えるのだが。いかが。




