難解は悪
最近、中学生のリアクションが変わった。
僕は塾の講師をしている。主に中学生を相手にすることが多い。僕が働いている塾では、基本的な講義は映像をみて理解してもらい、そのあとに演習問題を解いてもらう。僕の仕事は、わからないことがあれば生徒を手助けをすることである。
最近中学生に多いのは、講義の映像を見た後に、「この人の説明が分かりにくいので、教えてください」というリアクションである。映像では理解できないから、教えてくださいというのは自然な成り行きである。そのために塾に通っているし、僕のような講師はそのためにいる。ただ、ここ最近の変化は、そのわからない原因が、自分にあるのではなく説明者にあると、言うのである。。
この点が変わったところである。以前であれば、自分がわからないというのが恥ずかしくて、理解できない自分が悪い、というような態度をとる中学生が多かった。だから、「ここがわからない」と言いにくい生徒が多かった。今は、少し変化しつつある。分かりやすいが普通になった今、「わかる」ことが普通になったのだ。授業に追いつかない生徒が少しでも減っていると考えれば、中学生にとってはよい時代になったと思う。
しかし、世の中にはわからないことが沢山ある。知識を積み重ねて、様々な経験を通して、やっと理解できることもある。そういう(高度な)知識は、すぐに理解できないだろうし、予備知識の蓄積がなければ難解な話に聞こえるだろう。そういう事柄に出会い、理解できないと気づいたとき、その中学生は、自分ではなく、その知識を解説している本や先生を悪く言うかもしれない。
「僕がわからないのは、あなたのせいだ」と。




