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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

The primitive sin

『per il fiorire di anima』断章

作者: Ars Magna

タイトルがラテン語だったのでイタリア語に直しました。

"魔導"に誘なわれし者、その道の踏破の魁としてこの書を贈る。

世に破滅をもたらすは、サタンの意思ではなく"刻"であり

世に救恤をもたらすは、人の力ではなく"意思"である。

故に、この書は何も変えない。

変化を、望んではいけない。

変化は汝が"刻"ではなく"意思"に殺される要因の一つであるからだ。


忠告を聞け。


嘗て居た、既に私以外が覚えていない、狂えるアラブの詩人のようにならない為に。

冒涜的な深淵を覗くことを、諦めろ。

私を超えた時、そこは大いなる眠りの王の顔前だと知れ。

だからこの書が遺す、魔導の範疇を超えてはいけないのだ。




〜〜〜反魂香とアルスマグナ〜〜〜


「死は超越できる」それは永きに渡って人々が探求してきたテーゼだ。しかしそれは所詮、"長"時間だと知れ。人が短命である以上、その術は発見に至ることはないだろう。

私は嘆き悲しむ人達に手を伸ばそう。私は所謂ヒトであるから、心が痛く、哀しい。

エリモルス魔導騎士団的に言えば、それはアルスマグナ、と呼ばれる秘術である。

以下に手順を記す。



呼び出したい者の縁者を調べ、その幽体の死者を集める。魂を呼ぶには、黄金の酒が良いとされる。

さらに魔法陣の五芒星に塩を置け。

塩は円を生み、縁を司るからして、非常に効果的なアイテムとなる。

無い者はイルカの肝を置け。霊体を導く物である。


そして聖水に一日中浸したダガーで自分の左手首を薄く切れ。少量の血液が必要となる。その血には汝の罪が詰まっているのでそれを聖で打ち消すのだ。

その血は魔法陣の中央に垂らせ。

そして月の無い"翳りの夜"に、呪詛を唱えて真名を叫べ。

これで召喚は成功する。


呪詛は以下を選べ。対象の性によって使用するものは変わる。

詠唱は多重構成が望ましい。魔力を捧げ、特定の場所で行うべし。


基本構築式

「Athe, Malkuth, ve-Geburah, ve-Gedulah, le-Olahm, Amen YHVH, ADNI, AHIH, AGLA 」

*誤りがある!!用いてはならぬ


前唱

「Dominus tecum! Deus videt te non sentientem. Mihi te est aequum parere.」


独唱

「In principio erat verbum, et verbum erat apud deum, et deus erat verbum.」


魔導式ⅰ

「Vivat lemures ! Vivat imago! Vivat tristis canticum! Semper sint in flore! 」


魔導式ⅱ

「Superanda omnis fortuna ferendo est. Memento mori. Omnes una manet nox.」


以下読めない部分が続く。※詠唱に関しては、原典を参考に、翻訳はしていない。


そして私はこの長ったらしく悪意溢れるこの手順を解消すべく、あるアーティファクトを作り上げた。恐ろしく冒涜的なことを可能にするため、この薬を作る術は絶対に漏らすことがあってはならない。よってこの書には記さない。

その薬とはーー反魂香。聖なる夜にのみ使用を許される、しかし神を冒涜する"魔薬"である。



以下、備忘録


魔導は魔を導くものであるからして、魔への知識が必要である。汝にそれはあるか?ーー"殄滅"のエリモルス


反魂香は夜半に作るべき。朝昼晩と試してみたが、どうにも周りの人が死んでしまう。強すぎる魔力が常人の精神を蝕むようだ。夜間は夢としてフィルターが掛かるのさーー???


『Ars Magna』は人類を滅ぼす?いや違うね。人類を魔の手から守る最後の盾だーー"天頂"の魔術師


天才とは貴方のことを言うのでしょう?一日中魔術に耽って、私が愛想つかしても知りませんよーー私の恋人


憎んでるだとか、恋してるだとか、そういっま想いの強さと召喚の成功率は関係あるね、間違いなく。代償もまた、関係あるのだけどーー"紫霄"※謎だらけだ!!と記されていた。



〜〜〜対エリモルス捕縛術〜〜〜


そもそもエリモルスとは何なのか。"エリモルス"はエリモルス魔導剣術を扱う騎士達を指す。魔術師たちが騎士を嫌うように、求道者たる私も彼らを嫌う。

ここに叡智を極める私なりの、彼らを無効化する術について述べる。

エリモルスとは元々、騎士団が治安維持の為に伝説を語ったのが始まりである。それは文字通り騙ったものであった。


ーー偶然で集った五人の冒険者達が、偉業を達成していき、最後には世界の敵となってまで、彼等の目的を果たそうとしたーー


そんなストーリーが大衆に受けた。神をも殺すとされた彼等は皆が畏怖する対象だった。

それが私が生きている間にコロコロと変えられ、今では月並みなサクセスストーリーとなっている。勇者として。


エリモルスは、魔術隊と剣士隊で役割を分けて行動する。戦場に二つが並べば、進行を防ぐのは無理だと言っていい。

だからこそ私が提唱するのは、"魔術破り"である。

術式を解析しーーその魔法陣の固有振動(コード、と呼ばれる)を知る。

全ての魔術に固有のシグナルがあったと知った時は驚きだったが、私の寿命分ではまだ、反例は無い。無限の命あるものよ、全てを洗い尽くせ。


話を戻すが、それさえ判れば、逆数の法則に従って打ち消せる。

彼等の魔術を止めている内に、こちらの魔術隊が剣士隊を殺す。


ここで大切なのは、すべての魔術は熟練の魔術師ならば取るに足らないということである。

オリジナルの魔術を創る為の"原典"の需要がいかに高いものであるか、想像がつくだろうーー



以下は解読不能

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