初めましてです
今回は、ケモコと初めて会った日のことを、話そうと思う。
…そう、またいつかするって言ってた、アレね。
時は…いつだっけ。まぁ、一ヶ月くらい前のある雨の日。
僕は傘を片手に、道を歩いていた。
その日、悲しいことがあった。学校で飼っていた、兎が死んだ。病気だった。
飼育係だった僕は、自分を責め続けていた。
ふと道を見ると、ダンボールが置いてある。
不法投棄ってやつか。そう思って中を覗くと―何と、女の子がいるではありませんか!
しかも不思議な事に、狐のケモ耳つき。
震えていた彼女を、僕はそっと抱きあげた。
暖かさが欲しかったのかもしれないし、耳をモフモフしたかっただけかもしれない。
「お前一人か?寒くないか?」
どうせ夢なんだから。そんな気持ちで話しかけると。
「だいじょうぶです。でも、すこしさみしです」
返事があった。
幻覚に幻聴、何コレ僕死ぬの?なら、最後にこの少女を助けよう。そしたら天国行けるかも。
…リアルだったら捕まることだけど、死ぬ間際ならいいよね!
「僕の家来るか?名前は?」
家は行きたいけど、名前はないよー。そんな感じに返された。
名前…名前ね。名前がないと分かりにくいな。
「じゃあケモ耳だから、ケモコだ」
安易すぎるかな、とは思ったけど。ぱっと思いついたのだから仕方ない。
もう少し考えたら、コンコとかモココとか付けたかもしれない。
気に入った様子の少女は、可愛い笑みを浮かべた。
家に連れて行くと(←犯罪)、母がケモコを見て倒れた。ケモコの可愛さにやられて。
少しすると母は起き上がり―ケモコを抱きしめて撫でていた。
母は昔からそうだ。
「可愛いものを見ると、連れて行きたくなっちゃうの、てへぺろ♪」
てへぺろじゃない。年考えろ。
しかし親子揃って犯罪者とは、困ったものだ。マジで。
そのあと、ケモコをここに置いておくことになり、ケモコとの生活が始まった。
おそらく最初から、夢じゃないことは分かっていたのだ。ケモコを連れて帰る理由が欲しかっただけ。
まぁいいじゃないか。今が楽しいのだし。捕まったら、その時はその時だ。
「なにをいってるです?」
「ううん。なにも」
「たまごやきのつくりかた、おしえてほしいのです」
「ひとりでできるの?」
「やるです!」
〜けもこにっき⑧〜
△がつ@にち げつようび はれ
きょうは、がさいれをしたです。
てれびでやってて、そのまねをしたです。
ようぎしゃは、がおうじゅうさん、じゅうななさいです。
がさいれをしてみると、しゃしんがでてきたです。
ここにきたばかりのけもこので、はずかしかったです。
えっちなのは、でてこなかったです。よかったです。
でも、ていきてきに、やったほうがいいかもです。