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お買い物です

 僕とケモコは、ショッピングに来ていた。

 ケモコが言ったのだ。

「おようふく、ほしいです」

 ケモコには、僕の昔の服を着せていた。

 …さすがに嫌だったか。

 落ち込みながら理由を聞くと、予想に反した答えが返ってきた。

「これ、じゅうのにおいがするです。なんか、はずかしくなるです」

 よくわからない。けどまあ、洋服くらいならいいか、と、僕たち二人でショッピングに来たのだ。

 さすがにケモ耳丸出しはまずいので、阪神帽を被せた。

 みみがきついです、と言っていたが、少し我慢してもらうほかない。あとは早く買い物を終わらせるか。


 ケモコは予想通り、たくさんの服に目をまるくしていた。

「どれえらんでもいいです?」

「ん?あんまり高くなければね」

「はやくいくです!」

 手を引っ張ってくる。はいはい、と僕たちは走り出す。


 …さて、僕たちはどういうふうに見られているのだろう?

 兄弟?友達としては年が離れ過ぎか。恋人、というのは…僕捕まるわ。


「これがいいです!」

そういってさっそく、ケモコが指差したのは…


「…ビ、ビキニは少しはやくないかなぁ…?」

「そうです?かわいいです?」

「か、可愛いと思うけど…さ、寒くない?」

「そうです…ならいいです」

 ケモコはまた、服を物色し始めた。


「これです?」 

「ヘ、ヘソ出しも…ねぇ?」

「だめです…あ、かわいいです」

「ウェディングドレス!?この店、服の並べ方おかしくない!?」

「おおきいですー」

「だめっ!高い!」


 なんやかんやで1時間。分かったこと。

 …ケモコには常識がない。

 いや、けものならしかたないけど…金銭感覚がないから、どれが高いのか分からない。普段着、というのも知らないようだ。

 かわいい、ほしい、と思う物はことごとく却下され、さすがのケモコもシュンとしている。


「…なら、じゅうがえらんでくださいです」

終いにはこんなことを言われ、僕まで本気の服選びをすることになった。


 そして僕が選んだのは。

「かわいいわんぴーす、です?」

「どう…かな?」

「これにするです!」


 こうして初めてのお買い物は、無事終了したのだった。



 

~けもこにっき②~


○がつ×にち げつようび はれ


つづきです。

それで、じゅうのいえにきたです。じゅうのおかあさんは、けもこをみて、たおれたです。

じゅうがかんびょうをして、おかあさんはおきたです。

けもこをもういちどみたときは、おかあさんはおどろいただけでしたです。

かわいいといってだきしめてくれたけど、じゅうのほうがあたたかくて、あんしんするです。


じじょうをきいたおかあさんは、けもこがここにすむことを、ゆるしたです。

みみについてなにもいわないでくれたので、うれしかったです。

ここにすむことは、すこしかんがえてからにしたです。

でも、きっとすむことになるです。

そうおもっていたら、いま、ほんとうにすんでいるです。


あと、じゅうのむかしのふくを、くれたです。

じゅうのにおいがしたです。うれしくて、はずかしいです。


ねむいので、もうねるです…

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