3.良し、ご褒美だ
「はぁぁ、セーフ!」
「はぁ、はぁ、そうだな」
「なぁにお前ら息あがってんだよ」
「「死ね体力馬鹿」」
だいたいこいつの体力は正直おかしいよな。
「ホームルーム始めるぞ。」
先生が入ってきた。
「おい!早く座れ!そこのホモ3人組!」
「ホモ言うな!」
「今日のホームルームは、あの3人は誰が受けかについてd」
「「おぉぉぉぉぉぉぉい!!」」
なんだあの先生は、ボケのレベルが高すぎる。思わず空と突込みがかぶる。
「酷いよ大樹。俺というものがありながら、空と浮気するなんて・・・・。」
「誤解されるような事言うな!」
向こうで一人キラキラしてんだろうが。
「おーい、うるさい」
「お前が言うな!!」
そんなこんなでホームルームは今日の予定を簡単に言って終わった。
ホームルームが終わり、先生に呼び出された。
「おいおい、お前ら。そろそろしっかりしろよ。」
「「「はい・・・」」」
なんだか久しぶりに真面目な話しなようだ。
「だれが受けなのか。」
違ったようだ。それにしても駄目だこいつ。
「私は海人君の誘い受けだとおもうの」
「徳井先生。生徒を妄想に巻き込まないで下さい」
「良いじゃない。妄想はタダよ」
「だからって、巻き込むなって言ってんですよ」
「いやだ。私は忙しいの。話しかけないで」
「お前が呼んだんだろ!!」
それだけ言って去っていってしまった。ホント勝手だ。しかも、意味解からん。
徳井先生の暇つぶしに付き合わされて戻って来た
「なんて言ってた?」
空に聞かれた
「受けがどうこう言ってた」
「それで、どう言ってたの?」
海人が聞く。
「お前の誘い受けだとよ」
「それ、解かる気がする・・・。」
「おわぁ」
3人で話していたつもりが1人増えていた。
菊池優花。さっきのキラキラしてた奴だ。こいつとの関係を、簡単に言うと、幼馴染だ。
普段はかなり大人しい奴なのだが、 趣味の事になると何処からともなく現われる。
しかし、怖いくらいに気配が無いな。
「あの先生とは気が合いそう」
「そうなのか?」
「すっごく」
「ふーん」
いまいちよく解からん・・・。
そこでチャイムが鳴り先生が入ってきて、話しは打ち切られた。
一日の授業が終わり、すでに部活に入っている奴は体育着に着替えたりして出て行く。そうでない奴は真っ直ぐ帰宅だ。
そして俺らは、神の書を持って学校に残ってる。
「1日かけてこの空様が作った計画を発表する」
空様って・・・。
「まず、必要なものは、鹿の角、マンドラゴラだ」
マンドラゴラ、根が人の形をしていて抜くと悲鳴を上げ聞いたものは死ぬとされている。しかし、そんなのは、ただの伝説。実際は幻聴などを引き起こす毒草だ。根が複雑な形をしてるためそのような伝説が出来たのだろう。
「そんで、複雑で大き目の魔方陣」
複雑でデカイのは大変だな。
魔方陣は画数と大きさに比例して使う魔力も大きくなる。て言うことで疲れそうだ。
「場所は大樹の家で良いよな」
「意義なーし」
「意義ありだろ!なんで本人の了承無しで決めてんだ」
「そんじゃまず、役割分担だが」
「おーい、聞けよ。何で俺んちなんだ」
「大樹・・・・」
「なんだよ」
「一人ごとが長い」
「一人ごとじゃねぇよ!」
「でもお前の家以外で何処でやれと」
「・・・・・・・」
「ほら、ないだろ。いいじゃねぇか。無駄に広いんだから、華族の家系だっけ?」
「しょうがねぇな」
そんなことでいまは俺んちに居る。
役割分担を簡単に説明すると、海人が鹿の角、マンドラゴラを取りにいって、空が魔方陣を書く(俺は正直細かいのは苦手だ)。そんで俺はというと、魔方陣を書く空に魔力を渡し続ける。魔力をおくるのは誰でも出来る技じゃない、これもじいちゃんの地獄の・・・じゃなかった。じいちゃんの修行のおかげだ。
「終わったぞ」
「やっと終わったか。もう魔力がねぇよ」
まぁ体力みたいにほっとけば回復するんだけど。
「それにしても、海人遅いな。死んだか?」
「そうだなぁ」
出発してからもう3時間たつけど・・・
「た、ただいま」
おぉ噂をすると影、とか言う奴か。ていうかボロボロだな。
「おかえり、どうしたんだ?その格好、爆撃にでもあったか?」
「イメチェンだ」
「そんなイメチェンあるか!」
銀〇ネタだよな。これ
「そんで、どうしたんだ。手に入ったのか」
「そうそう、がんばったよ!俺!見てこれ」
レジ袋からそれらを取り出す。
「合格だ。ご褒美だ。ほれっ」
アメを投げて渡す空。犬かよ・・・・。
「わーい、ありがとう!」
「さて、始めるか」
「始めるかじゃなくて、俺が何でボロボロか聞いてよ」
「やだ!」
きっぱり言ったな。
「う・・うぅ・・・」
「なくなよ!聞くから」
「ほんと」
「あぁ」
「あのねあのねあのねあのね!」
急に元気になったな。ガキか
「まずは鹿の角だなぁって思って、山に行ったんだよ。そしたらさ、運良く鹿が出てきてさ、戦ったんだよ」
「戦った!?」
「当たり前じゃん」
当たり前なの・・・・?
「それでさ、なかなかいい勝負してさ」
いい勝負できるんだ・・・。生身の人が野生の鹿相手だぞ・・・・。
「鹿が撃たれたんだよ」
「はい?撃たれた?」
話しがほぼ繋がってねぇようなもんだぞ
「猟師っぽい人が来て、鹿撃ったんだよ」
なるほど
「そんでその人のうちで応急処置?見たいな事をしてもらって」
あぁ、よく見たら絆創膏やらなんやら付いてるな
「そんでそのまま夕飯をご馳走に・・・」
「「おらぁ」」
「ぎゃあぁああぁ」
「おいてめーなに1人で夕飯くってんだよ!」
「そーだ、空の言う通りだ!俺らは飯も食わずに!」
「ごめん、まじごめん。あぁ、その関節はそっちには曲がらないよ、ちょっとまっあぁぁぁ」
ボコることしばらく・・・。
「すいませんでした」
土下座する海人。
「なんだって?聞こえない」
「すいませんでした」
「ちがう、すいませんでした 空様 だろ」
鬼畜だな。
「すいませんでした、そ、空様」
「良しご褒美だ」
またアメか
「わーい」
バカかあいつは
「これがアメと鞭の使い分けだ」
ホントにアメだしな。そういや
「海人。マンドラゴラはどうしたんだ?」
「そのときの人にもらった」
おいおい、おんぶに抱っこだな
「まぁいいさっさとやろう」
それもそうだな
空はマンドラゴラと鹿の角を魔方陣の真ん中に置く
「よし、大樹。呪文だ」
「おし、わかった」
俺は本に書いてある通り呪文を唱える。
すると、あたりが光に包まれる。
先生GJって感じです
我ながらナイスキャラ