2.神の書
駄目だ………………。
女子を出さねば。………………
神の書を見つけた次の日、俺はそれをもって学校へ行った。
そして、その道中に海人と空に会った。
「見よ!!この神の書を!」
そして見せびらかす
「なにそれ~」
「『幸せになれる呪い全集』………………だと」
「幸せなのに、呪いだって。へんなの。」
「馬鹿か、お前は。昔は、人にかけるのが『呪い』それ以外を『魔法』と区別していたんだ」
「へぇ、そうなんだ。知らんかった」
「授業でやったろ」
マジかよ………………。しらんかった。
「ど忘れだよ。ど忘れ。」
「嘘付け、馬鹿が」
「ホントだもん」
「そうだね~」
「そっそうだよ」
俺はそっと海人の肩を叩く。
「大樹・・・・。」
無言で首を横に振る
「もう何も言うな。お前の気持ちは良く分かる。」
「大樹っ!」
「海人っ!」
俺らは固く抱きしめあった。
「最終回か!」
空が突っ込む
「それより、大樹。その神の書どうするつもりだ」
「そうだね。忘れてたよ」
「忘れるなよ」
「ごめんね。てへぺろ」
「キモイ」
「すみません」
「で、なに」
「このページ見て」
「『異性にモテル呪い』だと!」
「マジでマジで、すげぇ」
海人は食いつくと思ってたけど、空が思ったより食いついてきたな。やっぱりこいつも男だな。
「やるのか?この呪い。やるんだな。」
「やりたいです。やりたい」
「おれも、やりたくて持ってきたんだ」
どうやら満場一致みたいだ。
「やるにしても、どうやんの?」
「材料そろえて魔方陣かくんだって」
海人の疑問に答える
「ちょっとみせろ」
本をとられた
「あっかえせ」
「だめだ、ちょっとまて」
「かえせよ~」
「だめだ。だって平仮名読めないだろ?」
「そうだった…………、じゃねーよ。それくらい読める!」
「54点」
「なんだよ!俺の突込みが54点だと言いたいのか。面白いわけでもなく、それなのにそこまでつまらなくもなくびみょーだと言いたいのか!」
「うん、今のはつまらん」
「ちょっとだまってろ海人」
「ひどい、俺だけ会話に入れてもらえない!」
「大丈夫だ。お前は存在がつまらん」
「なにが大丈夫なんだよ!」
「大樹、海人。」
「大丈夫だから、大丈夫なんだよ」
「妙に哲学的だな!」
「そうか!大丈夫か!」
「納得した!?」
「大樹うるせぇぞ」
「ふざけんなよ!お前は突っ込みの………。そんなことより、学校!間に合わないだろ!!」
「そうだね~」
「そうだな~」
「のんびりするな!急げよ」
「「やだ~」
「やだじゃねぇ。いくぞ」
そんなことで教室に入ったのはチャイムが鳴り終わる直前だった。
海人と大樹の絡みが好きです。