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三題噺もどき5

登校日(終)

作者: 狐彪
掲載日:2026/08/28

三題噺もどき―きゅうひゃくにじゅうなな。

 




 夏休みの登校最終日。

 次に来るのは二学期の始まる9月1日。

 つまり明日から三連休という事になる。

「……」

 だから何だと言う感じだが。

 夏休みなんてあってなかったようなモノだろう。

 去年の方がまだ休みがあった気がする……3年生だからって毎日毎日学校に来て勉強して模試してってする必要があるんだろうか。

「……」

 まぁ、それにかこつけて。

 あの子に会えるから、私はいいんだけど。

 それに、休んでいる人もちらほらいるにはいる。

 そこはもう親の方針なのか何なのか知らないけど。

「……」

 家は、母は基本毎日仕事だし。

 私もこれで、妹も部活で夏休みはつぶれたので。

 どこかに行くこともないし。

 それにまぁ、今年は初盆だったし。

「……」

 いつも通り、午前中に授業が終わり。

 今日は残ることなくさっさと全員帰るようにとお達しが出た。

 そう言われなくても今日は皆素直に帰りそうなものだが。

「……」

 教室内は、心なしかこの夏休みのどの放課後よりも騒がしいような気がした。

 たった三日間しか会わないだけなのに、そんなに惜しむことかなと不思議に思う。夏休み中毎日顔を合わせていたんだから、三日くらい何のことはないだろうに。

「……」

 この後どこに行くだのなんだの。

 もしやこの三日で夏休みを取り戻そうとでもしているんだろうか。

 出来なくはないんだろうが……みんなよくそんな体力がある。私は毎日帰ってゴロゴロしているだけだから、今日も変わらずゴロゴロするんだろう。

「……」

 ダラダラと手を動かし、ぼうっと外を眺めながら、帰る準備を進めていく。

 たいして物は持ってきていないので、すぐに終わる。

 リュックサックに教科書類と筆箱を入れるだけの簡単なお仕事だ。

「……」

 眺めていた外の景色に、ふいに何かが映り込む。

 緑の葉を蓄えた桜の木―の下。

 何やら生徒が集まり、きゃあきゃらとはしゃいでいる。

「……」

 何だろうと覗いてみれば、その足元には猫がいた。

 たまに校門の前に居る猫だ。

 今日は涼しげな木陰の下で涼んでいたのだろう。それを生徒に見つかったというところだろうか。かわいそうに囲まれて身動きが取れなくなっている。

 まぁ、あの子は人慣れもしているようだし、何も威嚇したり怯えたりはしないんだろう。

「……」

 机の中にわすれものがないことを確認し、椅子から立ち上がる。

 女子に囲まれてかわいそうなことだが、私にはどうすることもできない猫から目を離し、教室の出口へと向かう。

「……」

 途中、グループ集団とすれ違い、意図せずしてスマホの画面が見えてしまった。

 だって塞いでいるんだもの……邪魔だとまでは言わないがもう少し周りをみて欲しい。

 その一瞬立ち止まったところで。

「……」

 どこかのカフェにでも行くのか、その動画を周りに見せていた。

 しっかりと音声まで聞こえるくらいの音量で動画内の喋り声まで聞こえてきた。

 この学校は一応、スマホを教室で触るのはNGとされているのだけど……没収されようとされまいと関係ないか。私には。

「……」

 どうやらチーズケーキが有名なカフェらしい。

 この間家族で行ったところかな。

 店名まで聞こえる前に教室の外に出たので、正解は知らないままになる。

 興味もないのでいいのだけど。……あそこに教師がいるが、彼女らは平気なんだろうか。いわゆる教師のお気に入りみたいなもんだし大丈夫なんだろうけど。

「……」

 廊下を走る生徒が横切る。

 私もあの子と合流してさっさと帰ろう。

 もう終わったかな……。











 お題:桜・教室・チーズケーキ

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