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キミに心臓をあげたい  作者: ニケ
7/12

7

「律くん…律くん」 


ボクの名前を呼ぶ、心地よい声が聞こえる。

瞼を開けると、Uがボクの顔を覗き込んでいた。

彼女との距離の近さに、今更ながらドキッとしてしまう。


「ああ、Uか」


寝ぼけ眼のままスマホの画面を確認すると、時刻はまだ朝の5時だった。


「どうしたの?こんなに朝早くに」


「律くんに、提案があります」

「今から、外に出て見ませんか?」


「外に…?」


「はい、これだけ朝早ければ人通りも少ないと思うんです」

「誰とも会わない…とまではいかないかもしれませんが」


「それって…」


「ああ、勘違いしないでくださいね」

「ワタシの為に、ですよ」


「Uの為に?」


「はい、ワタシ実はアウトドア派なので、ずっと家にいるとストレスが溜まってしまうんですよ」

「だから、ワタシのストレス解消に付き合ってもらえませんか?」

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