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プロローグ
異世界は異世界でも、魔獣、魔法、チート能力等一切ありません。
地味ぃ~な異世界体験です。
「なかなか片付かないわねぇ」
押し入れに半身を潜りこませ、呟いた。
ここ10年ほど放置してあった場所には、ほぼ不要な物が山積みになっていた。
「これは燃える、これは燃えない…」
ベテラン主婦としてゴミの分別は基本中の基本。
結婚して早25年、5歳年下の夫と今年24才になった娘との一応3人暮らしである。
「これで最後、何が入っていたんだっけ?」
奥にある埃だらけの段ボールを引きずり出す。重い。
埃を払い、中身を確認する。
「あ~懐かしい」
それは忘れかけていた昔の写真アルバムだった。