第三章 体育の授業
泉はあかりに亮太の事を頼んだ。
「女性に慣れさせる為に、亮太を女子大に入学させたけれどもまだ悩んでいて完全に女性に成りきっていないようなのよ。あかりさん、学校で亮太の相談に乗ってあげてね。」と亮太の事をあかりに頼んでいた。
「私でよければ力を貸すけれども啓子には黙っていたほうがいいわよ。あの娘、オッチョコチョイだから、他人にポロッと喋っちゃうわよ。」と変な噂が広まらないように手を打っておいた。
「夏休み前に泳ぐ練習をしようと、先日一緒に温水プールに行った時に、私が陽子ちゃんに用事を頼んで、私達だけ先に着替えようとした理由がわかったでしょう?着替え終わる前に、陽子ちゃんが更衣室に入ってきたら、何故私が慌てたのかも納得したでしょう?」とあかりに説明した。
「ちょっと熊川さん!そういう事は、もっと早く教えて頂けませんか?あの時、私陽子さんの方を向いて、パンティー脱いだのよ。それに学校でも体育の授業の時、私、更衣室で何度も陽子さんの前で恥かしい姿を見せたではないですか!」と顔を赤くして恥かしそうでした。
二人の話を聞いていた亮太は、今の心境を泉に説明した。
「最初の頃は更衣室では興奮していたが、最近では目の保養をさせて貰っていて、体育の授業が待ち遠しいよ。」とニヤニヤしていた。
「何にやけているのよ!女子大だから、更衣室で着替えなくても校内で着替えなさいよ。」と不満そうに怒った。
「確かに学生は女ばかりだが、教授や警備員などには男もいるぜ。それに業者も出入りしているから、女子大には裸の女がいると変な噂が広まればどうすんだよ。」と女子大だから女性ばかりではないと説明した。
「それじゃ、女子トイレで着替えなさいよ。」と怒った。
「汚ったねえな。何故そんな汚くて狭い場所で着替えなければいけないのだ!」と焼き餅?と泉の怒りが静まるまで待つしかないかと諦めた。
二人が険悪な雰囲気になってきたのであかりが間に入って収めようとした。
「泉さん、落ち着いて下さい。今の亮太さんは女性だから気にする必要はないでしょう?」と笑った。
泉は、「それじゃ、今後も体育の授業では、更衣室で亮太と仲良く着替えなさいね。」と反論した。
あかりは、「それとこれとは話が違うわよ。」と痛い所を突かれたと感じた。
泉は、「違わない!」と興奮していた。
亮太は、「二人とも落ち着いて。もともと、俺を女子大に入学させたのは泉じゃないか。誰だ?女子寮に入寮しろと言っていた人は。」と二人のケンカを収めようとした。
泉は、「わかったわよ。」と反省している様子でした。
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翌日女子大であかりは亮太に、「昨日、陽子の友達の泉さんから、とんでもない話を聞いたけれども、私達の友情はいままでどおりだからね。」と安心させた。
亮太は、「女の友情ってどんなの?そこから教えて。生理の処理は、いまだに泉に手伝って貰っているよ。」とあかりに自分の事がばれたので、一から女の事を教えてもらおうとした。
あかりは、「わかったわ。何かあれば教えるわね。泉さんにも色々と教わっているのね。だから啓子は、泉さんが陽子をコントロールしているように感じたのかもしれないわね。」と啓子の言動に納得していた。
その後啓子もきて雑談していた。
やがてあかりが、「そろそろ文学の授業よ。いきましょう。」と三人で教室に向かった。
教室で授業が始まる前に一人の女学生が、「今日はあついわね。」と胸元をあらわにした。
亮太が思わず視線を向けると、それに気付いたあかりが亮太の前に出て、「泉さんに言うわよ。」と睨んだ。
亮太は、「思わず見てしまった。夏は皆薄着で、先生が女性の場合、遠慮なく胸元を露出させたりスカートをたくしあげたりするから授業に集中できない。もっと冷房の温度を下げられないのかな。」と少し興奮している様子でした。
あかりは、「節電で冷房温度は二十八度に決まっているから仕方ないわね。」と冷房温度については諦めるように促した。
亮太は、「胸元などをあらわにしなくても、薄着だからブラは透けて見えるよ。あかりのブラも見えているよ。」とあかりの反応を見ながら笑った。
あかりは、「バカ!どこをみているのよ。」とカーデガンを羽織った。
啓子が、「どうしたの、あかり。そんなに興奮して。」と胸元をあらわにして、あかりが興奮している理由が解らない様子でした。
あかりは、「啓子ちゃん、女性はそんなに胸元をあらわにしてはダメよ!」とまだ興奮していた。
授業も終わり、三人で雑談していると泉がきた。
啓子は、胸元があらわになっているとあかりが興奮していたと泉に告げた。
泉は、あかりと亮太の様子から事情を把握して、「陽子ちゃん、あとでゆっくりと話をしましょうね。」と睨んだ。
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あかりが、「次は体育の授業だから私先に行くわね。」と亮太が来る前に着替えようとしていた。
啓子が、「そんなに慌てなくてもまだ時間あるわよ。ねえ、陽子さん。」と亮太を見て落ち着いていた。
あかりは、「陽子さんは来なくてもいい!」と先に行った。
泉は、「陽子ちゃん、何ニヤニヤしているのよ。」と不愉快そうでした。
亮太は、「次は楽しい体育の授業だ。」と喜んでいた。
泉は、「陽子ちゃん、何がそんなに楽しいの?」と亮太のHと呆れていた。
啓子は、「陽子さんは、運動神経がいいから楽しいのよね。先月はバレーボールの授業で、私がトスすれば陽子さんが凄いシュートをして、相手チームのメンバーが真ともに受けて吹っ飛んだわ。足を挫いたらしいわよ。それ以降、相手チームのメンバーは、陽子さんのシュートからは逃げていたので、私達の圧勝で終わったわ。今月は何の授業かしら。陽子さんと同じチームになりたいわ。」と亮太の運動神経を泉にアピールした。
泉は、そういう楽しさではないと思うけれども、啓子さんにはそういう事にしておこうかしら。と思っていた。
啓子は、「しかし、陽子さんは運動神経抜群で、もし男だったら惚れちゃうわね。」と亮太に憧れている様子でした。
泉は、男だったらって、亮太は男だよ。啓子さんには亮太の事がばれないようにしないと、私の恋敵になりそうだわ。と警戒していた。
亮太も、やばい、啓子にはあかりのようにばれないようにしよう。と警戒していた。
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啓子が、「陽子さん、そろそろ体育館にいきましょう。」と亮太を誘った。
泉は、「それじゃ、私は帰るわ。」と二人の事が気になりつつも帰った。
亮太と啓子が体育館の更衣室に入ると、それに気付いたあかりがきて二人の間に入った。
あかりは、「陽子さん、変な事を考えると泉さんに言うわよ。」と睨んだ。
亮太は、「わかったよ。後で自分の体を見るか。」と後向いて、今後体育の授業の楽しみをあかりに邪魔されそうだと諦めて着替えていた。
あかりは、「陽子さん、何考えているのよ。」と怒っていた。
亮太は、「女性は体を清潔にしないといけないから、毎日風呂に入っているだけだ。」と反論した。
あかりは、「陽子さん、風呂に入る目的は別にあるような気がするわ。」と亮太を睨んでいた。
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今日の体育の授業は講義形式でした。
「みなさん、今は若いので体は自由に動くが、やがて老化現象が始まります。それに気付く方法は何でもいいから毎年スポーツ、例えばマラソンをしていれば、去年は何キロ走れたのに今年は走れなかった事に気付きます。それが老化現象の始まりで、二十五歳頃から始まります。その時から何かスポーツを始めれば、老化現象を遅らせる事は可能です。そのまま放置していると、老化現象は雪だるま式に加速して、少しスポーツをしたくらいではどうにもならなくなります。」というように、将来老化現象が始まった時の事などを説明していた。
最後に、「来月はバトミントンを行います。」と宣言して、今日の授業は終了した。
更衣室であかりは周囲に聞こえないように小さな声で亮太に、「こっちみないでよ。」と警告して着替えていた。
その後あかりは、「今日の体育の授業だけれども、何かスポーツをする為に色んなスポーツを教えて、その切欠を作ってくれているのね。」と体育の授業方針に納得していた。
亮太は、「だから、難しい事を考えずにスポーツを楽しめばいいんだな。」と亮太も納得していた。
その後、三人で雑談していると啓子が、「夏休み終了後前期試験ね。うっとうしいわ。」とうっとうしそうな顔をしていた。
亮太は、「そんなに気にする事ないわよ。今は一般教養が多く専門課程が少ないから。」と以前、男だった頃に大学に通っていたので要領がわかっていて余裕でした。
次回投稿予定日は、2月18日を予定しています。




