再び美少女たちとお知り合いに
どうも、本日2度目の投稿です。
宜しくお願い致します!
入学式も無事? に終わり、透徹たち新入生は先頭の教員に連れられて式場を後にした。
誰も口を開くことなく、ただ皆の足音だけが聞こえるままにしばらく歩いていると、どうやら学園のロビーに着いたようで先頭の教員が止まれと合図をかける。
「皆ご苦労だった。さて、ここからの流れだがまずはこの場でクラス別に分かれてもらう。それぞれAからGまで書かれたプレートのところまで各自で移動してもらう」
定番のクラス分けの掲示板で新入生がワチャワチャとする光景は無く、入学式の案内に同封されていたクラスの内訳によって自身の所属するクラスは把握している生徒たち。
勿論、透徹はそんなものがあったことなど知らなかったのだが、特進科がAクラスであるという情報だけは知っていたので、入学式の席を決める時だけは迷わなかっただけというのは、秘密の話だ。
教員が指示をしてから少しして、全員の移動が完了したのを把握すると、次の指示を出した。
「迅速な行動は褒めるに値する。ここからは集まってもらったクラス全体で教室へ移動してもらう。しばらくした後に担任の先生が来るのでそれまでは、これから新しく生活を共にする者同士で親交を深める時間として良い。それじゃあ、移動しなさい」
パンパンと顔の前で両手を叩いて、生徒たちを急かす男性の中年教員。
その指示を受けて早速行動に移す生徒たち。透徹の所属する特進科Aクラスは、ロビーを右に曲がった廊下の一番手前の教室だった。
スライドドアを開いて、教室の中へどんどん入っていくAクラスの面々。黒板を見ると、今回は座席指定がされてあるらしく皆がそれに従って自分の席に向かって行った。
透徹もそれに従い、黒板で自分の席を確認すると教室中央の席に座る。
今年の特進科は定員二十人のところを、十八人も合格者が出たということで、教員の中では優秀な世代と噂されていた。それもその筈で、今年は鏡一族の子息が三人とあらゆる名家の生まれが一堂に会している。
「透徹さん、またお隣同士ですね」
頬を赤らめながら笑みを向けてくるのは、入学式開会の前に知り合った超絶美少女な女子生徒。彼女の名前は黄道宮詩音と言い、彼女もまた名のある家の生まれである。黄道宮家は、古くから続く伝統ある家であり、経済界では今でもその権力は揺るがぬものとなっている程だ。
そんな権力者と言えば、傲慢チキなイメージを思い浮かべる者も多いだろうが、彼女からはそのような空気は感じない。寧ろ、温室育ちの箱入り娘と言ったような言葉がよく似合う純朴な少女である。人一倍警戒心の高い透徹が名前で呼び合うのを自然に許容する程には、会って間もない詩音のことは悪く思ってはいない。
そしてそれは、始めに名前呼びを提案してきた少女とその友人も例外ではなく……。
「透徹と詩音は仲良く揃ってお隣さんなのね。まさか運命だったりするんじゃない?」
イタズラっぽい笑みを浮かべて話し掛けてきたのは、先程透徹の頭に浮かんできた女子生徒。
「まさか、聖那も隣なのか」
「ええ、そのまさかよ。あ、別に嫌というわけではないから。寧ろ顔見知りが少しでも多いこの席はありがたいわ」
大人の色香を振りまくこの超絶美少女も、詩音とほぼ同じタイミングで知り合った女子生徒。名前を美雪聖那という。
「後ろにいるのは、麗莉さんですよね? こんな風に揃うことなんてあるんですね」
聖那の言葉に少し翻弄される詩音だったがなんとか立て直し、嬉しそうにもう一人の女子生徒との再会を祝う。赤ブチ眼鏡を掛け、少しオドオドとしている超絶美少女の神咲麗莉が透徹の後ろの席に座る。
「ど、どうも……」
多少打ち解けられたとは思うが、未だにビクビクしながら話す彼女だが、透徹たちは特に気にしていない。目を見て話せるようになっただけでも進歩したものだ。
「同じようなメンツで固まったな」
「少なくとも、話せる人が近くにいてくれて私は良かったよ」
「同感ね」
「わ、私もっ。透徹くん以外の男子とはお話出来そうにないから良かったです」
気の合う友人になれそうだと、四人は互いに微笑み合う。傍から見ると、白髪の超絶美男子が超絶美少女三人を侍らしているよう構図となり、特進科の男子生徒たちの嫉妬を買った。
「くそぅ! やっぱ顔なのか、顔が全てなのか!?」
「おい、落ち着け! 確かに見た目なら俺たちに勝機はこれっぽっちもないだろう……。だが、いくら特進科といっても色恋に溺れるような男に俺たちが成績で負けることはねぇ! そこで挽回といこうぜ!」
「その話、おいらも乗るぞい!」
「「お前、キャラが濃いな!?」」
どうやら男子生徒たちも、それぞれ友人作りに成功しているらしく、教室が瞬く間に活気に溢れる。
「しかし、あいつの周りだけ女の子、それもあんな超絶美少女たちに囲まれやがって……! 羨ましいっ!」
「いや、俺たちにもまだ希望はある。席が近くなくたって良いじゃないか。時間はこれからタップリあるんだ、少しずつ仲良くなっていけばいい」
「そうだな。おいらもあんな別嬪たちとお近づきになりたいからな。まだ焦る時じゃない。寧ろ、ブーストを切っているあやつと比べておいらたちの方がリードしているんだ」
これは絶対に話し掛けにいけない男性諸君の言い分だろう。早くもフラグの回収が予測できる展開となっている。
そんな男子生徒たちはよそに、透徹の周りには次々に人が集まっていく。
「おー! ここが私の席ですか! 何だか美男美女が多くて立ちくらみしそうですね!」
元気溌剌とした少女の声が聞こえる。それは麗莉の左隣から聞こえ、その声の発信源を透徹たちは見やる。
「初めまして! 私、吉姫ティナと言います! 席が近いもの同士仲良くしてくれると嬉しいです!」
ハイテンションな彼女は、これまた詩音たちと同等の超絶美少女。サラサラの金髪ロングで毛先はフワッとカールさせている。真っ白な肌に大きな翡翠色の目と、艶やかな唇。スタイルも非常に良く、姿勢もピンと伸ばしているせいか、豊かな胸部にどうしても注意がいってしまう。膝上まで短く詰めたスカートからのぞく、すらっと伸びた脚は傷一つ無い綺麗なものだ。聖那の魅力とは違った色気である。
「ひいいっ!?」
「あ、すみません! いきなり大きな声を出してしまって驚かせてしまったみたいみたいですね。すみません」
隣にいる麗莉が突如現れた少女に、ビクッと体を震わせて怯えた様子を見た途端、ティナがすぐにフォローをいれる。素直に謝罪をすることができる、内面もしっかりとした礼儀正しい子のようだ。
「大丈夫、この子が大袈裟過ぎるだけよ。吉姫ティナさんね、ティナと呼んでもいいかしら?」
「はい! 私も堅苦しいのは苦手なのでフランクに接してくれると嬉しいです!」
「おいおい、急な展開だな」
聖那とティナが握手をしている光景を見て、思わず透徹が突っこんでしまう。
「そこのイケメンさんは、入学初日からこんな可愛い女の子たちを侍らして……とんだ色男ですね!」
「そんな言い方はよしてくれ。変な誤解を招いてしまう」
あくまでも冷静な対応をとる透徹。いきなりぶっ込んでくる金髪美少女に内心辟易としながらも、きちんと向き合って話をする。
「む、大人な対応ですね。もう少し慌てる姿を見てみたかったんですが……」
「ティナ、貴方とは気が合いそうね。そうなの、この男の子ったら私たちを都合良くキープしてるだけなのよ?」
オヨヨ、とわざとらしく泣く演技をする聖那。それにティナが便乗して事態がややこしくなってくる。
「透徹さんはそんな人じゃないですよ!」
ただ一人、透徹の右隣に座る詩音だけは、そんなことは無いと主張する。
「あらら、そこの女の子は気になる男子が弄られるのを見て、我慢出来なくなってしまいましたか?」
「なっ……! そ、そんな透徹さんとは今日あったばかりですから!? それに、透徹さんはとても優しい方です。他の男の人とは違って、変な目で私を見ないというか……。でも、透徹さんにならもうちょっとくらい見てくれても構わないというか……」
段々と尻すぼみになっていく詩音の声は、後半部分が聞き取れない程小さくなっていき隣に座っていた透徹も何を言っているかが分からないようだ。
「カマをかけたつもりが本当に釣れてしまうなんて予想外でした」
「ティナ、そろそろ悪ふざけはやめましょうか。ほら、詩音も戻ってきなさい。貴方、まだティナに自己紹介してないでしょう?」
俯きながら念仏のような何かを唱えていた詩音を、聖那が肩を叩くことで現実へと帰らせる。
「はっ! すみません、お見苦しいところを……。私は、黄道宮詩音と言います。これからよろしくお願いします」
「鏡透徹だ。よろしく頼む」
「か、神咲麗莉です。さっきは驚いてごめんなさいです。これから仲良くして下さいです」
詩音に続いて透徹と麗莉も、ティナに対して自己紹介を済ませる。何だか彼女が輪の中に参加してきただけで一気に賑やかになったと思う透徹だったが、こんなに平和なのも悪くはないと内心で思うのだった。
「……っ!」
そんな感傷に浸っているのも束の間、透徹は自分の席の斜め左前の席にいきなり現れた気配を察知して素早く顔を向ける。ティナが席につくまでは、そこに人はおらず何も感じなかった。
透徹は、非常に警戒心の高い男だ。この祥奏院学園の中がどれだけセキュリティ万全であったとしても、万に一つ何かあるかわからないという精神の下、どんな場所でも周りの気配、動向を見逃さないように神経を張り巡らせている。幼少の頃から山での修行でどんな野生生物の僅かな気配も掴んでみせた自分の警戒網を、かいくぐられたことに焦りを抱き、その席に座る人物を視界に捉える。
「おぉ〜、少し緩めただけですぐに感知するのか。これは、化物級だねぇ」
「……君は特進科の生徒か?」
「失礼な、このピッチピチで超絶美少女な僕が君たちより年上に見えるのかい? 正真正銘、優秀な特進科のクラスメイトさ」
やれやれと嘆息するように、肩を竦めてこちらに話し掛けてくる女子生徒。
「そうか、悪かったな。いきなり気配を感じたんで襲撃かと思ってしまったんだ」
「大丈夫、元はと言えば気配を殺してた僕にも悪いところはあるからね。それにしても鏡透徹くん、君は一体何者なの? 自慢じゃないけど、僕の隠形を見破るなんてさ」
「俺も自慢じゃないが、これでも色々な経験を積んできたんでね。まぁ、こんな所で話す内容じゃないからこれ以上は何も言えないが」
「それはお互い様だね。さてと、そこの吉姫ティナさんじゃないけど、皆驚かせてごめんね。僕は夜摩兎永遠。あぁ、君たちの自己紹介は結構さ。さっきテツくんの名前を呼んだように、さっきからこの席に座りながら話は聞いていたから」
舌をチロっと出して謝罪をする女子生徒。誠意というものが微塵も感じられないが、彼女の可愛らしい仕草で一同は誤魔化される。
全体的に短めな黒髪で、前髪を右側にハーフアップにしてかき上げている。輝くような金色の双眸を持ち、直視してしまえばその神秘さに惹き込まれてしまいそうな危険な香りがする。腰まわりは細いが、どちらかという標準的なスタイルで、痩せすぎず太りすぎずの丁度良い体型を保っている。黒いニーハイソックスを履いており、俗に言われるスカートとの絶対領域からのぞく健康的な肌がまぶしい。
「ああ、よろしく夜摩兎。ところで、そのテツくんというのは一体……?」
「皆さんと同じく永遠と呼び捨てにしてもらって大丈夫ですよ。いやぁ、なんだかテツくんの周りって可愛い子が多いじゃない? 何か呼び方が他の子と被ったりしたら、僕のキャラが薄くなってしまいそうだからね。申し訳ないけど、これからもこう呼ばせてもらうよ」
「? 別に彼女たちがいるからってキャラがどうとかは関係ないだろ? 普通に仲良くやっていけば良いだけだ」
永遠のテツくん呼びの理由は理解出来たが、納得がいかない透徹。呼ばれることは構わないのだが、そこは重要なことなのかと首を傾げている。
「透徹さん、そういうところは鈍いんですね」
「意外な弱点発見ね」
「ち、ちょっと可愛いです……」
「どんな人にも一つや二つ欠点はあるから、気にしなくても大丈夫ですよ!」
「あちゃ〜、テツくんはそういうキャラだったのか。まるで物語の主人公みたいだ」
思い思いのことを口にする詩音を始めとする超絶美少女たち。一方、何故自分が責められているような形になっているかが本当にわからない透徹。
胸の前で腕を組んで考え込む透徹だったが、彼の前の空いている席の生徒がこちらに向かってくることでその思考は途中で停止する。
「よろしければ私も、中に入れていただけないでしょうか?」
そう声を掛けてきたのは、世情に疎い透徹でもその顔を知っている程に有名な人物。そしてパターン通りの超絶美少女であった。
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