4-2 終焉へと
――β版も、ここで終ってしまったな・・・。
そんなことを考えつつ、今の状況と直立していた。
―――――
β版に参加していた俺、カズキは、ここのボス戦で手こずり、最終日にも挑んだところ、最後まで負けてしまうという残念な形で終了したのだった。
――さあ、あの時の続きを楽しもう。
敵であるはずなのに、勝手な親近感があった。
敵であるはずなのに、戦友とも・・・とは言いすぎだ。親近感くらいが丁度いい。
――今回こそは、絶対に、勝つ!!
雲がかった夜の下、俺はそう心に決めて、動き出した。
―――――
しかし、この蜘蛛はβ版のときから厄介だった。――今の方が厄介だが。
理由は『モンスター特製のアルゴリズムで動いてない』事だ。
モンスターは普通、決められた動きしかせず、珍しいといっても、ジャンプをたまにする位で、他の決められていない動きはしないように設定してある。
しかし、このモンスターは違う。アルゴリズムではなく、人間のような、真性の学習能力と知能がある。
――つまり、裏を狙って動く俺等と同じということだ。
ここで、無意識でも動ける『推測』と『位置補正』によって敵の攻撃をすんなりと避けた。
今見れば、隙の多いボスだと気づく。一つ一つの動きに対する反動が微妙に大きく、いつでも攻撃を仕掛けることが出来る状況だ。これはバグでは無いか、とちょっと考えたが、もしそうなら倒しやすいだけになる。恐らくそれは無いだろう。
次の一撃は弾く、そう決めた直後。
――剣が、俺めがけて振り下ろされてきた。
うまく行くか!?と疑問を抱えて、うまく行くことを願っていた。
俺の弾きと、敵の振り下ろし。軌道は重なる。
弾きはヒットした。そして後は、押し返すだけ。
すると、俺の押し返しに、妙な力が加わった。そう、壁とも呼ばれている、『タンク』だ。俺の力と、タンク達の力が加わって、もの凄い勢いで敵を弾いた。
―――これなら、いける!!
ボスであるその巨体は、崩れると立ち直りが途轍もなく遅い。
「今だ!!好きに攻撃してくれ!!」
そう言った隣で、わずかに、しかしはっきりとした声が。
「・・・チェン・・・ジ」
知っているのか、と思ってしまった。あの出来事を。あの事件を。そして、俺が巻き込まれていたことを。―――詳しくは外伝にて―――
それはともかく、今は戦闘に集中するべきだと思い、剣を構えようとした。もう剣が俺の方向に向かってきていることは無かった。
こうして―――――
この凶悪かつ不自然なボス、『デットリー・スパイダー』を撃破。それにより、フィールド全体の解放が行われた。そして、最大だろう中央都市、『ゲイル』の解放。その範囲、なんと半径20キロメートル。
―――しかし、カズキは知らなかった。今、シングル・ロワイヤルという大会があって、それにシュータが出ている事を。そして、その初戦の相手が―――
リーナだという事。
ハードな2編同時投稿。
5-1「自作剣技<1>」投稿中。
外伝は6月末投稿。