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エネクトロニック・オンライン2  作者: milink
本編4―物語の第一歩
24/25

18 過ちとその償い<1>

投稿遅くなって本当にすみません。

 俺たちは今ボス戦をしているであろうところにいる人――ではないところにいる情報屋にメッセージで状況を聞くことにした。

『今はどんな感じだ?』

『戸が開いて無いからニ戦目は終わってないところ。ただ、一戦目が終わったという情報から2時間近いから、終盤戦だと思う。―100C』

 直後に返信が。それも、まあまあ長い分が。そして、代金まで忘れていない。

 ここで言う、Cが代金で、クレジットの略らしい。

 最前線で戦う情報屋は、情報量豊かなのだがなかなか成立しない。俺は大体の情報屋を知っているが、成立させたのは知っている限り彼1人だけだ。

 そんな話は良いとして、彼が3戦目、つまり南の門にいる事は確実といえる。俺は気持ちばかりで、

『人手足りるか?』

『20人余り、かな。これたら来て』

 そんな事を打ってしまったせいで、参戦しなくてはいけなくなった。


 シュータ、リーナは共に「もう無理!」と拒否されたので、一応ネオを連れてきた。一番近くの町に転移すると到着まで5分かからない。

「おっす。お疲れさん」

 さっき話していた情報屋に声をかけ、約束の料金を支払った。

 彼にはもう既に現実比1万円近くを授けている。

「ようやく来たね? ・・・そこの人は?」

 あいさつの後、すぐにネオに興味を持つ。さすがは最前線の情報屋だ。

 俺はグランドクエストのNPCだという話とともに、心を持つNPCだと話した。

「はじめまして、私はネオです」

 一通り紹介が終わったところで、自ら話してくれた。

「おお・・・! 君が最近有名の・・・!」

「・・・?」

 ネオは疑問符を抱えているようだが、クエストを進めることは勿論、始める事すらも不可能では、と言われているほどのクエストのNPCなので、情報屋が喜んでいる理由が分かる。

「君、以外と有名だよ?・・・ネットの方で」

 後半を意図として小さくした言葉は、

「本当ですか?」

 聞きとれていないらしく、正しく受け取ってくれてはいないだろう。

「とまあ、詳しい事は後でじっくり話すよ。今はボス戦を頑張ろう」

「そうだな。この後じっくり話を聞かせて貰おうかな。情報提供料は出すよ」

 変な契約が終わったところで、門が開いた。勝利を意味する。

「さあ、行こうネオ」

「はい」

「ちょっと!? 忘れるなよー」

 こんな軽い気持ちでボス戦に挑んだ俺だったが、この後痛い目にあう。


 そして、2戦目があった東門では。

「こんなに強いとか聞いてねぇよ・・・」

 勝利してはいなかった。むしろ敗北だった。


 俺らは、2戦目が負けている事を知らない。

 それと、もう一つ知らない事が。――南の門が一番強く設定されてある事だ。

「主体は回避。相手の攻撃と攻撃の合間を狙って攻撃する形で」

「分かった!」

 今ネオが初めてため口で返事した気がするが、そんなことは気にならなかった。


 指示を出して、ほんの数秒でボスは現れた。形はクモのような敵。一度戦ったことのある敵にも似ていた。しかし、それは他のゲームでの話だ。まさか、とは思って、

「子グモが湧くかもしれない。気をつけろ!」

 全体にはそう指示した。そして、それに合わせて全体が動く。しかし、その情報は偽りとなる。

――子グモは湧かさない代わりに、毒ガスを放ってきた。ガスとはいえども、実体があり、形を変えることが可能らしいそれを、刃に変え、一人ひとりに突き刺そうと試みる。

 俺には5、6本がこちらに来たが、全て斬りおとす。しかし、適性の無いネオはというと、そうもいかなかった。

 両足に1本ずつ、首のほんの少し下に1本の計3本がささっている。各自のダメージ値は低く、ネオの体力を一割程しか削らなかったが、追加効果により麻痺毒を――本来、あり得ない事だと後日情報屋が説明してくれたが――受けてしまってる。


 この時、ネオが考えていた事は、意外なことだった。

――あの時と、同じ。

 あの時、それは過去に何者かの手によって、動けなくなった時だった。あの時も動けないまま、倒れ、目の前であったことをそのままにしかできなかった。

――コンナコト、ナンテコトモナイ。

 少しずつ理性が失われていく感覚。苦しみは何も感じない。その代わりに、途轍もない程の怒りという感情を持っていた。

 その時だった。

「・・・オ! ネオ!!」

 カズキの声によって目覚める。あいまいではあるが、ネオを起こそうとしていたのだと思う。

「大丈夫か!? 意識が消えてたぞ!?」

 この声ははっきり聞こえていて、「大丈夫です」と答えようとした・・・が、声が出なかった。

 毒が発言を拒否し、何もできずにいた。

次回は続きから。2編目です。

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