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エネクトロニック・オンライン2  作者: milink
外伝2―新しい事故
21/25

15 気付かせるため

 再会から2時間が経過しようとしていた。

 その時にはもう俺は、このゲームの異変に気付き始めていたのだ。

 訊いた事あるような、シュータの読み上げたような発言。最初に選択した剣の種類。

 そして、今の戦い方とは違うはずの、指示待ちタイプ。

「お前は、誰だ?」

 ふと、呟いてしまった。それはシュータにも聞こえたらしく、

「何だって? どういうこと?」

 問いただされそうになったので、

「・・・いや、何でもない」

 こうして逃れることしかできなかった。


―――――


――疑問は、浮かぶと忘れない物なのか、少し考えていた。これも疑問だと分かった頃には後の祭りだと気づくことになるが、そこまで考える脳を持っていない。

「・・・どうだろう」

 最近、ソロプレイヤーとしてゲームをしていたせいか、独り言が多くなった。

 それはともかく、流石に確認をしておこうと思って、ウィンドウを開いた。

 勿論、ログアウト機能についてだ。ページを開くと幸い、ログアウトはあった。あの男だからまだ手をつけられてない、などというのかと思ったが、それは無かった。

「ログアウトして確認するか・・・」

 ボルタに訊くため。通話じゃ信用ができない。

 俺は新設されたボタンを、押した。


―――――


 シュータはというと、こちらも変な話になったいる。

 カズキの方がログインが早く、シュータは少し起動待ちになった。それは良いのだが。

――カズキのプレイ状況を見る事が出来るようなスクリーンがあった。

 見慣れたゲームの世界。それは2年間遊んでいたゲームの面影も残しながら、新装されている街だ。

「・・・!?」

 ふと、異変に気付く。

 自分が、いる。

 映像を見せられているのか、それとも本物なのか、それは分からないが、自分がカズキに近づいている。そして言った言葉にも、驚愕することとなった。

 自分が一番鮮明に覚えているカズキへの最初の一言。それを、一語一句、間違えずに言った。

 それだけではない。他の発言も、あいまいなところはあるが、殆ど全てが昔の発言と同じだ。

「どういう事なんだ・・・?」

 疑問を抱えつつも、異変には何となく気付いていた。


―――――


 ログアウトをしたカズキは、早速ボルタに問い合わせた。

『はい、こちら・・・』

「少し、話が違うんじゃないか?」

 俺は時間がない人のように、必死に問いただす。

『少し待ってくれ。どういう事だ?』

「俺がログインした時、シュータが来たんだが、それが明らかに本人じゃない受け答えなんだよ。どういう事なんだ?」

『・・・気付いたか・・・』

 何かを企んでいたかのように、そう受け答えをしてきた。

「いったい何なんだこれは!?」

『それは記憶ベーステストプレイヤーなんだ。ゲームのβ版ではなく、サーバーに残されていた記憶を間違いなく展開できるのか、というテストをするものだよ』

 ここでようやくゲームでは無い事を白状したボルタ。

「何をテストするために渡したのかは知らないが、もう使わないぞ。――機械、貰っていいか?」

『勿論、無料であげたわけではないぞ。――見抜いた、報酬とでもしとこう』

 ブチッ。

 いいと聞けば切るのみだった。

 俺はもう二度とあのアプリを使う事は無いだろう。そうなら、これまでやってきたゲームの続きをすればいいだけだ。

 しかし、今後使う予定になる事を、俺は知らない。

次は元の軌道に戻る予定です。

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