0-2 天への抗い―前1時間―
今、この時期になぜシュータがログイン出来ないか不思議だが、今日もいなかった。
それはともかく、N・P・Cから話を聞き、今日の12時、つまり、今日の正午に住民祭があるらしい。NPCがそんな事をする――否、GMがそんな事をさせる理由は分からないが。
ともかく、そこで出てくる神らしきNPCと戦闘をして、勝利するだけだ。
―――確か、β版の頃にもこのクエストした気が・・・。
そう思った途端、β版の頃の記憶が蘇ってきた。
―――――
β版は、今の月額制では無かったが、抽選で3000人、そして『期間中一度以上ログインできる人のみ』で選ばれた。それに俺は見事当選した・・・のだが。
このβ版、有料だった。しかも、β版にしては高い――逆にβ版で有料の方が珍しいが――500円だった。
そこはもういいが、体験段階にしては高スペックで、ゲームの進め方などがとても分かりやすいと評判だったが、問題点が1つ。『異世界を再現し切れて無い』という点だ。
今はまだ、高スペックばかりを狙いすぎて、街の一部が荒れていたりなどが無い。それはむしろ、ありがたかったとも言えるが・・・。
要は現実には程遠い世界で、これこそ『仮想空間』という感じの世界が出来ていた。今は・・・。
話を戻そう。今とは違い、楽であったという事は認めて欲しいが。
―――――
どうやら考え事をしている間に30分も過ぎていた。人間考え始めると止まらないな・・・なんて考えていると。
――時間を、忘れていた。あと2分。
「やばい、急げ!!」
独り言など気にせず、自分が出せる最高速度で走った。
2分後、なんとか間に合う事は出来たが、肝心のNPCは不在だ。
「どうなってるん・・・だよ・・・」
少しだけ呼吸が荒くなるが、すぐに収まった。そして、
「悪い、遅くなった」
今、NPCが到着した。
引き延ばします。
この外伝はこの先気が向けば出します。