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エネクトロニック・オンライン2  作者: milink
本編3―重なり合う物語―
16/25

10 彼女の探し物<2>

2/4編目。3日連続投稿。

 それから6時間後。

 俺はまた捜索を開始した。

「本当に、あるのか・・・?」

 そう。今日だけでもう10時間も捜している。正直、見つかりそうにない。

「・・・本当にすいませんっ!!」

 そして謝ってくる彼女――名を『アヴェル』というらしい――。これが、さらに気を圧迫する。

「良いや気にしないで。第一、手伝うって言ったのは俺だし」

 むしろ、ここで止められたら俺のいる意味が無くなる。

「・・・・・・」

 捜すのに熱中して無言になるとか、この世はどれだけ安全になったんだろう・・・とか考えながら捜していた。

――そして3分後。事件は起こった。

「・・・!いた!!」

 ジルコット・ストーと呼ばれる敵が、俺らの前に立ちはだかった。

「・・・こいつか・・・」

 凶悪な目つきと岩のような殺人兵器、と記されてあるそれは、こちらに向かって走ってきた。

「・・・!」

――動きが、鈍い。敵のではなく、自分の。

 走りはそのまま突進へと変化し、俺の体に直撃。

「ぐはっ!!」

 こちらから手出しができない。その時、途轍もない絶望感を味わった。

――俺が、何もできない。

 ゲームを一時していなかったこともある。そのせいで、瞬間的な伝達速度が鈍っている。

「俺は、・・・何も出来ないのか?」

 そう考えていた時、2度目の突進が。

――はい、俺の人生終わったー。

 その気持ちが、俺の体を本能的に動かした。

「はあぁっ!!」

 右斬り上げ。ジルコット・ストーの左手と呼ばれる部分を破壊。

 その後の左斬りおろし。右手も破壊。

「まだだっ!!」

 剣技と呼ばれるわざ、『オール・ブレイク』発動。回転斬りの後の突き。

――ここで、ジルコット・ストーの胴体が消え、四散した。

「はあ・・・久しぶりってきついな・・・」

 この対戦では落ちなかったが、光り輝く光石を20個も取らないといけないとか。

「ちょっと、し無さすぎたかな・・・」

 この異世界ゲーム、自分の体力などまでが反映される。つまり、運動をしていて反応速度が速い人は有利なのだ。

「・・・運動でもしようかな・・・」

 そう心に決めた俺であった。


―――――


 翌日。

 今いる場所は自宅の前。ジョギングをしてきたのだ。

「はぁ、きつい・・・」

 これでばてる体だからゲームで動けないのも仕方ない。

 ちなみに、走った量は3キロないくらいだ。


「よーし、休憩とったし、ゲームしようかな・・・」

 そうして、ゲームを開始。これが朝の8時。


「はあっ!!」

 この掛け声とともに、敵であるジルコット・ストーが落とす『光り輝く光石』を一つ入手。

 これが朝の10時。


「はあ・・・」

 この後1時間はジルコット・ストーにすら出会わなかった。

――しかし、この時。

「グルウゥゥゥゥゥ・・・」

 何かの声。

「こっちだ!」

 そうやって行った先には。

――紛れもなく、ジルコット・ストーの親分。

 名が『ジルコット・キングス』となっている。

「・・・ウソだろ・・・」

 まだ完全復活してない俺に、こんな強い敵は必要ない。

 そう考えていた時、メッセージが。

『言い忘れてたけど、ジルコット・キングスからもドロップするぞ。――そいつ一体で20は集まるだろう』

「まじかよ・・・」

 これこそ『究極の決断』と呼ばれる奴か。

 1は『地道に、安全に作業していく』。2は『危険を冒してまで、効率よく入手する』だ。

――これなら当然俺は2を選ぶ。可能性が無いとは言えないからだ。

「行くぞ・・・」

 剣を構えて、相手の様子をうかがおうとした時点で、もう相手は当たっているかどうかの紙一重のところにいた。

「うっそお!!」

 反則だろ!!少しは待てよ!!

 そう思ったが、モンスターには礼儀という言葉を知らない。

――そっちがその気なら。

 小手調べとして、一番好きな基本技、右斬り上げをした。

 的には、残念ながら擦れた。しかし、防御値は低いらしく、擦れただけなのに敵の体力の5分は持っていった。

「それでも・・・!?」

 それでも親分か!!と言おうとしたところで、俺は息を詰まらせた。

――親の血から、子分が完成、否、生成されていく。

「・・・うっそお!!」

 まあ、こんな反応になるのも当然だ。

 もうすでに子分の数は10を超える。

「・・・どうやって、勝てって言うんだ」

 とにかく、闘いは始まった。終わりがどうであれ、逃げないのが男だ。

「・・・よし!!来い!!!!」

 何が良かったのかは知らないが、この発言で闘いが始まった。


―――――


「そっちはどうだ?」

「こっちは順調。あと30人ゲームオーバーで発動」

 とある企業の会話。

「10000ゲームオーバーで発動できるあの機能、ようやく使えるんだな」

「そうだ。何カ月も待ったかいがあったぜ」

 そう。ここはエネクトロニック・オンラインのサーバー管理社だ。

 そして、あと30人という、謎のカウントダウンが、今―――



――始まった。

新小説『ゴミスペック!!』8月投稿予定。

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