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エネクトロニック・オンライン2  作者: milink
本編3―重なり合う物語―
15/25

9 彼女の捜し物<1>

4話編成です。(今回は)

 翌日、ケータイに入っていたメール類を速攻で削除し、何事も無いようにログインした。

 今日は土曜日。なのだが、午後からバイトのため急いで続きのクエストをすることにした。

「・・・あ、いたいた」

 実は昨日、集合時間と集合場所を予め決めていた。

「やあ、今日もよろしく」

「はい、何度もすいません」

 最近、N(ノン)P(プレイヤー)C(キャラクター)がもの凄くかしこまっている気がする。彼女が好例で、何かあったらすぐ謝る。俺はあまり得意ではないのだ、すぐ謝る人が。

 人じゃないからか気にした事はあまりないが。

「今日はここのダンジョンにある・・・」

 彼女が袋から何かを取り出し、見せてきた。

「この『光り輝く光石』を20個ほど欲しいのです。ついて行きますんで、お願いしていいですか?」

 俺はその光石を見せてもらい、あることに気付いた。

(これ確か、モンスターのドロップ品だった気が・・・)

 ここで断ると予定が台無しになるので、今日出来るかは別で引き受けることにした。

「分かった。今日で終わるか分からないけど、一応行ってみよう」

「ありがとうございます。・・・用事があるなら別の日でもいいですよ?」

 そこは気を使う所じゃないよ・・・と心の底から思っていながら、

「い、いや大丈夫だよ」

 そう答えた。


 5分後。

 ゲーム内で検索した結果、『ボス級の敵を倒すとたまにドロップするアイテム』という事と、『特定のモンスターを一定のタイミングで倒していく』と手に入るという情報を手に入れた。

――しかし、疑問は二つ。

 1つ目は、『ボス級』とは、どれが基準なのか。

 基準が分からない限り、正直何時間かけても無駄に過ぎない。つまり、1つ目の方はほぼ不可能。

 2つ目は『特定のモンスター』が何なのか。

 3つ目は『一定のタイミング』の幅。

 この疑問は、やってみるしか分からないが、正直こちらも無駄になりそうだ。

「はぁ、どうすればいいんだよこれ・・・」

 悩んだ挙句、最終手段を使うことにした。

――情報屋に、訊く。

 俺が知ってる情報屋は、お金稼ぎ目的が多いが、情報量は多くない奴らばっかりだ。――売れて無いらしいが。

 その中に、飛び抜けて情報量が多い奴がいる。名を『ジルコ』と呼ぶ。

 前回訊いたときは、配布後すぐの情報を偽りなく教えてくれていたのだ。

『光り輝く光石ってどのモンスターから出る?』

 そう訊いた直後。

『ジルゴット・ストーってやつから。――100ミン』

 情報料とともに、そう答えられた。


 ジルコット・ストーとは、岩の形をしたクモ型モンスターらしく、やたらとごついらしい。

 その辺の情報はともかく、出現場所が南の森だと聞いた。正直、何日かかるのか分からない。

「とにかく、出発するか・・・」


 今頃だが、変わった物がいくつかある。

 1つ目は『街の自転』。全範囲をクリアした後、理由は不明だが街の転移、通称『街自転』が無くなったらしい。――でも、理由は『クエスト攻略が安易になるから』とかだろうと予想している。

 2つ目は『通貨』。前は何だったか覚えてないが、全マップクリア後にアップデートで通貨が変わった。

――それまでの通貨は使えなかったらしい。

 3つ目は『クエストの量』。これも全範囲をクリアした後、projecter達が増やしていったとともに、適性審査つきではあるが、クエストを作ることが可能になった。――今では、6000ものクエストが揃えられているのだが。

 おもに3つ。その他は重力パラメータの調整などで、前よりは現実に近くなった気がする。


 マップも広くなった気がするが、これだけは変わって無い。南の森と言えばマップの最南端エリアである。

「自転ってありがたかったんだな・・・」

 今頃そう思ってしまった俺であった。


―――――


 そう思った1時間後、

「どこで出るんだよ・・・」

 そうなった。

「あのとき一緒に訊けばよかった・・・」

 今頃後悔し出す俺と、

「・・・大変ですね・・・」

 と人ごとのように言う彼女。

――こうして、今日の捜索は終了へと近づいていった。


―――――


 この二人、実はこの後・・・彼らの身に何かが起こる。

 そう、予言者でもある情報屋はそう言った。

感想、レビュー等待ってます!!

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