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エネクトロニック・オンライン2  作者: milink
本編2―広がる世界―
11/25

5-4 自作剣技<4>

『自作剣技』編、ようやく完結。

 話し合いが一段落した頃、シュータは。

――さらに突き進んでいた。

 森を抜けて、岩山までも抜けて、その先は湖。

 そこには、一人の姿が。

「来るか・・・?」

――相手は、まだこちらに気付いて無いようだ。

 ここぞと思い、一応『隠蔽』と『幻惑』を使い、隠れて射撃。

 どうか!?

 そう思ったものの、一発で即死は無いと判断した。――例え、その人がヒットポイントが少なかろうと。それはともかく、その敵は。

「・・・誰かと思えば、あなたでしたか」

 聞き覚えのある声。つまり、組んだことのある人、もしくは古参。

 前の方は無いと思っていい。理由、それは『僕がカズキ以外と組んだことが無い』からだ。自慢できることではないが。勿論、N(ノン)P(プレイヤー)C(キャラクター)を除いて。

 しかし、いまだに思い出せない。こいつは誰だ?

 その静寂の中、相手が名乗り始めた。

「覚えて無いようなので、名乗りますよ。――私はルギウス。あなたとは公式デュエル戦で闘い、あなたに勝った者です。まだ、覚えてませんか?」

 何を言っているんだ、こいつは。

 まだ公式デュエル戦などは行われていないし、このゲームでは一度も負けたことが無い。

 その心情を見透かすように、相手はこう言った。

「勘が悪いですね。説明しましょうか・・・あの『実質デスゲーム』で、ですよ」

 何を言っているのか、その全てを悟り、その頃の記憶がよみがえってくる。

 あの時、――確かに、俺はあいつに負けた。

 最後、手筋を見極められ、フェイントを無視して攻撃してきた奴がいた。

――本当に、あいつなのか。

 その時、またもや見透かすように、相手はこう言った。

「攻撃は最大の防御、でした。――あの頃は、命の大切さが分かってい無かったから、あんな事が出来たんです」

 僕の返答を待たずに続ける。

「でも今は、あの頃フェイントをかけたあなたを、優しい人だと考えています。――こちら側からすれば、『敢えて攻撃しなかった』とも読めるからです」

 なるほど、だから僕に気付いても敬語で優しく喋っているのか。

 納得し、ここから去れる、そう思った刹那。

――ルギウスの青白い剣先が、僕の頬を掠めた。

「だからこそ、その時のお礼をしたいので、あの時の続きをしましょう」

「・・・分かった、そうしよう。でも、今の不意打ち分は回復させてくれ」

「了解しました。あなたがスタートの合図を出して、それに従います。勿論、そこからは手加減なしですよ」

 そうして、昔の決着をすることにした。


 最悪、ここで退場する事も考えなくもなかった。

 しかし、降参(リザイン)の文字に、手が動こうとしなかった。ここで降参すると、この相手に申し訳ないと手が伝えているのか。

――いや、違う。そんなものではない。

 この相手は、一度負けた相手。だから、リベンジを果たす。

 その意思が、手を動かさなかったのだろう。

 その頃、相手のルギウスは、俺が自動回復する間の5分間、敵という意識を忘れたかのように、じっと、待っていた。

 そして、全回復という、決闘の時間がやってきた。

「・・・時間です。今から、始めますよ」

「望むところだっ!!」

 僕の初撃、それは体側からの斬り上げ。相手は、一発目から『剣技』を使おうとした。その光の強さからして、初歩レベルの技と予想した。しかし、推測スキルは危険、としか示していない。

 まだスキル値が低いのか、それとも本当に――。

 その答えは、手口にあった。

 実はルギウス、隠しかつシステム外の『剣技発光抑制』を使っている。つまり、最高威力の剣技でも、光の威力を抑えて低級風に変えられるのだ。

 僕は、その光だけを信用し、判断を誤った。

 左からの突き。これは右に回避。しかし、見えたのはこれが最後だった。

 自分の視界が黒くなり、やがて――


 数分後、死亡という文字を浮かべて、ロワイヤルが終了。この後、ルギウスが優勝したらしい。

6「動き始めた世界」は7月頃。

他サイトには8月投稿。


8月頃より、少し投稿間隔が縮まります。

2週間に1回くらいです。(予定)

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