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次の日、コレットと一緒に登校し教室に入れば一瞬だけ訪れる沈黙

あぁ、めんどくせえな

これから毎日こうだったら精神的にすげえ疲れるじゃん


すぐに朝の喧騒は戻ったものの、どこか空気が硬いのは私の思い違いではないだろう


心配そうに私を見てくるコレットに大丈夫だと微笑んで席へと向かう


そしてある人物を見て思い出した


あぁ、そうだ



「おはよ~、セツィーリアちゃ~ん」


「…おはよう」



こいつと隣だったわ




それからというものの、授業の度に教科書一緒に見よ~と言っては机をくっつけてくるし、授業中も先生の話なんて一切聞かないでずっと私に話しかけてくるから正直ものすんっごいうざかった

そして何より一番腹が立ったのは、いい加減話しかけてくるハルに我慢できなくなって注意しようと声を出したときに先生が私に注意をしてきたことだ


こっちとら被害者なのになんで責められなきゃならんのじゃ!!

そう叫びたかったけど、先生相手にそんなこと出来るはずもないから嫌々謝罪をして隣にいるハルを睨めば


「ッ…!~~ッ!」


この野郎肩を震わせながら笑っていやがるじゃねえかよおい



「ねえ」


「ククッ…!」


「ちょっと」


「~~ッ!」


「……おい」


「ふはっ!ッ~!」


「あんたいい加減に!!」


「ノワール!静かにしなさい」


「!!……はい、すみませんでした」


「クハッ…!」


「(んんおおおうのおおおおおれえええええええ!!!!)」



声一つ出さずに笑いすぎで死にかけているハルを横から睨みながら、私はこのチャラ男に腹パンしてやりたい怒りを必死に抑えていた




「いや~、ごめんごめん!まさかセツィーリアちゃんが俺に代わって怒られるとは思わなくてさ~」


その授業が終わると、瀕死状態になっていた馬鹿野郎は未だに笑いの余韻を残しながら私に謝ってきた


「気にしなくていいですわ、声を出したのは事実ですから」


外面の良いセツィーリアならここで止めていただろう

だけどな、私はさっきまでのお前は許していないし、今のふざけた態度で謝罪してくるお前を許す気もさらさらないんだよ!!



「って言うとでも思ったかこのチャラ男性悪野郎…!瀕死になるくらい私を笑った感想はどうだ?あん?楽しかったか??」


周りに聞かれないように誤解を招くくらいハルに顔を近づけた


「やぁだ~、セツィーリアちゃんってばなかなか大胆だね~」


「この際お前が私の素を知っても驚かないことは置いておく、ただ一つ聞かせろ。何が目的だ、なんで入学早々私に絡んで来た」


「セツィーリアちゃんってばもしかしてせっかち~?俺はお楽しみは後に取っておくタイプなんだけどな~」


「私も好きなものは後に取っておくタイプだけど気になることは先に片付けておくタイプなんだわ。それと、お前のタイプなんてまず興味もないしどうでもいい」


「ククッ、これは手厳しい~、俺っち繊細な心の持ち主なのに~」


「はっ、大丈夫よ、少なくとも私の言葉であんたが傷ついてないことくらい一目瞭然だから。それより早く私の質問に答えてくれないかしら?いい加減この体勢からも解放されたいでしょ?お互いに」


「え~、俺は別にこのままでも全然いいんだけど~?むしろもっと刺激的な体勢でも大歓迎」


「嘘よね、それ。だってお前……私のこと嫌いでしょ」


「……どうしてそう思うわけ~?」


「別に、ただの勘よ。ただし、私の勘はよく当たるって有名なんだから」


「ははっ、それ自分で言っちゃう~?」



私に詰め寄られても何も変わらなかったハルの雰囲気が一瞬で変わった



「それじゃ~、お望み通りにしてあげようかな~……ただし、セツィーリアちゃんが俺の質問に答えてくれたらね~」


喋り口調は変わらなくても纏っている雰囲気も目の鋭さも一変した

漸く真面目になったということか

それじゃあ、私もそれに応えないとね~



「いいよ、私で分かることなら」


「大丈夫~、セツィーリアちゃんにしか分かんないことだから~」





そう言うや否や、ハルは私の腰に手を回しさらに密着度をアップさせた

いやていうかこれ殆ど抱き締めあってる状態やん!!

先ほどから少しうるさかった教室がさらにうるさくなる


その騒ぎの中

ハルが私に囁いた言葉に








「あんたにとって、クロス・ウェルシーはどんな存在だ?」











意外な人物の名前があった






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