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優雅じゃないティータイム



穏やかな日々が続いたある日






「あー!セツ姉ってばクッキー食べすぎだよ!僕の分がなくなっちゃうじゃん!」


「あーら何のことかしら?ユーリ、弟なら姉に譲ることを覚えなさい」


「弟の分まで横取りする姉ってどうなの」


「仕方ないわ、姉なのだから」


「屁理屈だ!」


「おーほほほほほ!!私のクッキーは誰にも渡さ」


「いい加減に、しろっ!」


「あでっ!!」


「クロスさん!!」



お嬢様らしく高らかに笑っていた時に襲ってくる額への痛み

でも、今回は違う、いつもと決定的に違う!!



「ついに普通に叩いてきたわねクロス!」


いつものデコピンはどうした!あれはお前の必殺技じゃないのかよ!



「お前が変に偉ぶってるからだろ。あとそのクッキーは俺が作ったもんだから基はと言うと俺のもんだ。はいユーリ、これはお前の分だ」


「わーい!!ありがとうクロスさん!」


お菓子の追加分を取りに行ってたクロスが優しい笑顔を浮かべながらユーリに焼きたてであろうカップケーキを差し出す


その流れで私も貰えると思って大人しく待っていてもいつまで経ってもクロスからカップケーキを差し出される気配がない

てか、むしろ私の存在無視してユーリと話に花咲かせてる


いやいやいやいや!!



「ちょっちょっ!私の分は?」


「何が?」


「だから私の分のカップケーキは?」


「あると思うか?」


「うん」


「…ハッ」



鼻で笑ってそのままユーリとの会話に戻るクロス



「いやいや分かんない分かんない分かんない!!なんでそこで会話終了と思ったの!?てか鼻で笑われて会話終了される私って何!?」


「セツ姉うるさいんだけどー」


「ユーリあんた本当に私に猫被んなくなったわね」


「僕意味のないことしない主義だから。クロスさん!このカップケーキすっごくおいしいね!」


「そうか、じゃあ今度も作ったら持ってくるな」


「うん!」


いや~、なんともまあ微笑ましいやり取りですな~……って!!



「ちっがあーう!!!」


バンッ!!とテーブルを叩いて立ち上がる

クロスとユーリの冷ややかな視線にくじけそうになりながら訴える



「クロス!どうしてユーリにだけそんな甘いの!?私そんな優しい扱い受けたことないんだけど!!」


「だって、相手お前だし」


「それどういう事!?それにユーリ!あんたはあんたでクロスと私に対する差ありすぎじゃない!?なんでクロスにはそんなに素直でいい子なのよ!!」


「だってクロスさん尊敬できるしかっこいいし、あと僕基本誰に対しても素直でいい子だよ?セツ姉は例外だけど」


「はいおかしいー!!いいですかユーリくん!そこがおかしいんですよ!私、お姉ちゃん!あなた、弟!お姉ちゃんが例外ってどういうこっちゃ!」


「セツ、大人しく出来ないなら俺とクロスだけでお茶してるからお前は戻れ」


「ねえクロス、なんでそんなブリザードなの?心臓氷で出来てるの?てか結構これ何回も言ってるんだけど私ここのお嬢様だよ?一応ノワール家の令嬢だからね?」



なのにこの扱い!!ちょっと本気で泣いていいですか!?ガチで一泣きしてやりましょうか??


若干涙目になってる私を見てクロスはため息をつく、ユーリに至っては私のことは完璧無視でおいしそうにむしゃむしゃとカップケーキを頬張ってる

後で覚えてなさいガキンチョ…!



「元はといえばお前が大人気ないせいだろ?ちゃんと反省したらお前の分もちゃんとあげたよ」


「うぅ…だって、初めて弟が出来たんだよ?これぞ仲良し姉弟のコミュニケーションだと思わない?」


「嬉しいのは分かったけどなんだその歪んだ思考」


「もう!分かったよ!反省したから私にもカップケーキ頂戴!」


「ハアー…こいつが姉ってユーリも苦労するな」


「あら、何か言ったかしら?クロスさん?」


「何も言ってねえよ食いしん坊お嬢様」



苦笑いを浮かべながらやっぱり用意してたのか、ちゃんとラッピングされてるカップケーキがクロスによって私の掌に置かれた


あら、これよく見たらユーリのカップケーキと味が違うじゃない!



「ふっふっふ!カップケーキに免じて食いしん坊って言ったのは許してあげる」


「はいはい、それはどうも」



早速慎重に袋から取り出して一口食べる

口に入れた瞬間広がるほのかに甘く優しい味



「やっぱりクロスのお菓子は世界一おいしいね!」


「!……相変わらずおおげさだなお前は」



幸せな気持ちになりながらケーキを頬張る私を頬杖をつきながら眺めるクロス

もうその顔には苦笑いじゃなく、ただ優しい、私の大好きなクロスの温かい笑顔があった



クロスは私がケーキを食べれたからこんなに喜んでるって思ってるかもしれないけど、違うよ

もちろんそれも嬉しかったんだけどさ


私が一番嬉しかったのはクロスがわざわざユーリと違うカップケーキを私に作ってくれたことだよ



…まあ、女心が全く分からないクロスに分かってもらおうなんてこれっぽっちも思わないけどね!










(うわあ、なんか僕の存在忘れられてない?)



「クロスさん、今はまだでも、大きくなったら負けるつもりないからね」


「何が?お菓子作りのこと?」



(この人はこれだし、セツ姉もまだクロスさんのこと大好きなお兄ちゃんとしか思ってないみたいだけど…用心するに越したことはないね。今のところ、この人が一番強敵なのは変わらないし)




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