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仕草




コレットに部屋まで送ってもらったお礼を言ってから一人ベッドへとダイブをする


コレットとクロスの話をした時から胸が少しモヤモヤしている

その感じがなんだか気持ち悪くて訳もなくベッドの上でゴロゴロと回る


自分で言うのもなんだけど、私はそんなに鈍感ではない

あんなのは所謂王道ヒロインにのみ搭載されている属性であり、昔から人の感情には敏い方だったし、自分の気持ちにも疑問を持ったことはなかった


でも、クロスのことに関してだけは時々分からなくなる

クロスのことは好きだ

ずっと前から大好きだし、クロスも私のことを好きでいてくれてるのは分かる

さっきのコレットが言った、クロスが私を大事にしてくれてるってことも分かっている

……それなのに、なんであの時の私はあんなにも(動揺とは認めたくないけど)動揺しているような感じになってしまったんだろう


それに、このもやもやも考えれば考えるほど説明がつかない

自分で言った言葉になんで自分がこんな気持ちになるのやら

クロスは面倒見のいいお兄ちゃんで、私は手のかかる妹

家にいた時はずっとそう思ってたし、周りもそんな感じで私たちのことを見ていた人達が多いと思う

それなのに、今更何かが違うっていうこと?私がその関係を嫌だと思っているっていうこと??


……ううん、そんなはずない

嫌だなんて思うわけない




「…はあー、やっぱりどっか具合が悪いのかな?」


自分の額に手を当てる

けれど伝わってきた体温は極々普通のもので熱が出ている様子はなかった



「うーん」



なんかスッキリしなくてまたゴロゴロする



そうして気づけば、いつもクロスと待ち合わせをしている時間が近づいてきていた

さっきまでのもやもやが一瞬にして消える

ていうか!そうだ!!良いこと思いついた!!

私より頭が良いクロスに直接聞いてみればいいじゃん!!

そうすればきっとこのもやもやの原因も分かるし、クロスに呆れたような顔をされながら下らないことで悩んだと笑い合えるはずだ!


そうと決まれば!

少しだけ身なりを整えて早めに部屋を出る

足を捻っているためいつもよりかはゆっくりとした足取りだったけど、早めに部屋を出たからいつも通りの時間に中庭に着いた


おなじみのベンチに座ってクロスを待つ

やっぱりこの時間帯での人通りはなく、我ながらなんてラッキーな場所を見つけたんだと改めて二ヤっとしてしまう





「まさかと思ったけど、やっぱりいた」



ちょっと困ったような感じで笑ったクロスがそのまま隣に腰掛けてくる



「何が?」


「安静にしてろって言っただろ?」


「うん、だからずっと部屋で休んでたよ」


「さっき廊下で話したから今日はここには来ないと思ったんだよ、足も怪我してるし」


「あっ、確かに会ったばっかりだもんね、ここに来るのはもう日課になってるから全然何も考えてなかったや」


ははっと笑えばクロスは「全くお前は」というように小さくため息をついた


だがしかし、私は見逃さなかったぞ!お主がちょっと笑っていたことに!!



それに



「来ないって思ってても、ここに来てくれたのは万が一私が待ちぼうけを食らわないか心配だったから?」


少しからかってやりたくてニヤリと笑みを浮かべる



「珍しく鋭いじゃん」



けど、クロスは私よりも何倍も上手だった


同じようにニヤリと笑ってからサラッと私の前髪に触れて攫っていく






ドクンッと胸が大きく鳴った気がした







え、、、、、、



ちょっと待って




何今の




何今の





何今の!!!!






なんかめっちゃドキッとしたんだけどこれがもしかしてシチュエーション萌えってやつ!!?

わ、私こういう仕草がフェチだったのかしら!?い、意外な新発見だわね!?おほほほほほほ






バクバクと踊っている心臓に沸騰しそうな身体






心の中でふざけた事を言っても、私はクロスからは目が離せなかった










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