表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/135

本音は?



「聞きたいこと?なんだ?」



「お母様とのことについてです」



そう言った瞬間


空気が変わった



お父様がピリついてるのが手に取るように分かる

顔を見れば眉間にはこれでもかってくらい皺が寄ってる


やっぱり母のことについては何も聞かれたくないのだろうか…

でも、なんでだろう

怒ってるっていうより、悲しんで、る…?



「お父様?」


「セツィーリア、アメリアは…お母様はやはり俺が居ない方が幸せになれると思うか?」



幸せになれる?待ってよ、そんな言い方じゃあお父様はお母様のこと気にかけてるって言ってるようなもんじゃ…


「お、お父様!?私の質問に正直に!正おおぉ直に答えてくださいね!!?ちょっとでも嘘ついたら舌引っこ抜きますわよ!?」


「あ、あぁ」


お父様の引きつった顔が目に映る

そりゃそうだよな、4歳の娘が顔近づけて舌引っこ抜くって言ってるんだ

誰だって引くわ


でも!!今はそんなこと毛ほども重要じゃなくってよ!!



「お父様は、お母様と離縁したいですか?」


「…したくない」


「では、お母様のこと幸せにしたいですか?」


「あぁ、もちろんだ」


「なら、最後に…お母様のこと、愛していますか?」



真っ直ぐとお父様の碧色の瞳を見つめる


お父様も私から目を逸らさずにきっぱりと言った



「愛している。世界で一番な」



そっか


うん



「それを聞いて心底安心しましたわ」


「すまなかった、お前にまで迷惑をかけてしまったな」


「お父様、迷惑ではなく心配ですわ。そんな他人行儀は悲しいです」


「そうか…心配かけてすまなかった」



人差し指を立ててむくれて見せるとお父様は私の頭を撫でて


そして


「!!」


初めて笑みを見せてくれた



うっ、わあ…こりゃたまげた

どんな顔で笑うんだろうとは思ってたけど、まさかちょっと微笑んだだけでこれとか


うん、お父様はいつも鉄仮面の方が世の女性のためかもしれない

あれを間近で見たら全員そのインパクトに鼻血を出してぶっ倒れるわ



見惚れていた情けない顔を慌てて引き締め、少し赤くなった頬の熱をパタパタと手で仰いで逃す


あー危ない危ない、最近綺麗な人たちばっか見てたから耐性ついてたけど危うく私もトキメキで再起不能になるとこだったわ



これでようやく万事解決か!ってめでたしめでたしとでも言いそうになった時



「はっ!!まだ何も解決してないじゃない!!」


そうだ、お父様の気持ちは聞けたけどその他のことはまだ一切解決なんかしてない!!


ていうかそもそも!


「そもそも、お父様はお母様を愛してると言うのになぜあんな余所余所しい態度を取るんですの?いつも怒ってるような声の上に目だってこーんな吊り上げて!あと眉間に皺寄せすぎですわ!板でも挟むおつもり!?」


「そ、そんなにか」


「そんなにです!とにかく!そのせいでお母様もきっと誤解してしまったのよ!」


再び私に詰め寄られたお父様は苦虫を潰したような顔で言いにくそうにその原因を言った





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ