待て待て待て
「ねえねえ××!!聞いてよ~!!」
はいはい、どうせまたあんたが好きな乙女ゲームの話でしょ?
今度は何だよ
「それがさ!!今この子攻略してるんだけど、またしてもあの悪役お嬢様が邪魔してきて!!もー!!本当にムカつく!!」
またそいつの話?あんた私にゲームの話する時絶対その子の事言うよね
なんだかんだ言いながら好きなんじゃないの?
「何言ってるの!嫌いだよ!!いくら見た目がかわいくても人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死ね!って思ってるよ!!」
どうどう、私に詰め寄られても困るんだけど、とりあえず離れろ近い
「それよりさ~、××も一緒にこのゲームやろうよ~!すごい面白いよ!!絵もかわいくて綺麗だし、内容もすっごい凝ってて引き込まれるし曲もいいんだよ!!まあ、バッドエンドはちょっとエグイけど…でも
そこも愛嬌だよね!」
最後のはそんなかわいい笑顔で片付けていいものじゃないでしょ
ていうかさっきからあんたちゃんと私の名前呼びなさいよ
あれ?……そう言えば…
「えー!!そんなつれないこと言わないでよ~!!ほら見て!!この超絶イケメン達を見れば××もイチコロだよ!」
私さっきから一回も声に出して喋ってないはずなのになんで会話が成り立ってるの?
って、ちょ!人の顔にゲーム機を押し付けんな!!
……え、なにこれ、ぼやけてて何も見えないじゃん
ねえ、これ壊れて…あれ?ちょっと!なんであんたまでどんどんぼやけてってんの!?
「……気を…けて………パッドエンド…一番酷い………悪役令嬢……」
え?!何!?聞こえないよ!!
ちょっと待って!!どこ行くの!?ねえ!!!




