序章2 『織田帝国』の始まり
少年皇帝の名は『織田アレクシス・ギルベルト』。
宇宙帝国にまで成長した『織田帝国』の第17代皇帝であり、織田信長の子孫だ。
そして国民の大半も有名無名問わず、何かしらの戦国武将の子孫。
彼等は『とある神』の勧誘を受け、450年前頃から次々とこの世界に移住した。
戦が上手い彼等は、最初は傭兵として戦争で活躍。それぞれが『この世界の様々な国々』へ従順した。
しかし、ギルベルトの先祖はあまりにも褒美が少ないこと、異端扱いされ冷やかされること、そして何より『自分がこの世界を支配したい』という野望がつのった。
そして彼は散り散りになっていた武将をかき集め、主君である国王を殺害。戦争を引き起こした。
神は戦好きな故にこれを見て、
「面白そうだ」
と、彼等の未来を変えて味方をした。
もちろん結果は戦国武将達が勝利した。
そして次の戦も、またまた次の戦もさらにその次も戦国武将の勝ち。そしてギルベルトの先祖はむちゃくちゃなお願いをする。
『この王国を明け渡せ』と。
流石に国王(殺害された国王の息子)は
『それは認めないし無茶だ』
と言った。
するとどうだろう。国王の側にいた近衛兵が突然、槍で国王を刺した。ギルベルトの先祖の仲間が近衛兵に変装して忍び込んでいたのだ。
「申し訳ありませんが陛下、貴方は消させていただきます。あ、王国なら心配はいりませんよ、『私』が代わりに支配しますからね…」
「な…………や…め……」
国王は腰にさしていた片手剣で彼を斬ろうとしたが、抵抗虚しく死んだ。
そして彼の言った通り、王国は乗っ取られた。しかも、『織田帝国』と名を変えてー
残された王族は使われなくなった宮殿に幽閉させた挙げ句幼子まとめて自害に追い込んだ。
その後も彼と仲間達による『乗っ取り』は続く。
ある時は王太子と娘を政略結婚させ、その結婚式の披露宴中に刺客を送り込んで一族丸ごと殺した。
またある時は暗殺。首を絞めたり、側近に変装して刺殺した。逃げようとした者達も逃げられない。何故なら、既に宮殿の周りは囲まれていたからである。
こうして、外道な方法を使うことでほとんど戦争をすることなく、
ギルベルトの先祖はあっけなく世界統一を成し遂げてしまった。
余談
『政略結婚からの暗殺』は宇喜多直家を、
『王国の乗っ取り』は松永久秀を参考にしています。
ちなみに2人とも戦国武将で、結構な悪人として有名ですが、宇喜多さんは親族や古くからの家臣には非常に穏やかで、松永さんも最近『忠臣説』が出ているようですので、そんなに悪い人ではない……はず。