第一講目
第一講目
最底辺の少年は出会う
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痛い視線が飛び交う中を春希は目的地に向かう。目的地は教室なのだが…
「おい、アイツ…ノルマリオだってよ」「えー?嘘ー?!人生詰んだねぇ…可哀想に…」
等と言う声も聞こえる。わざと聞こえるボリュームで話しているのは間違いないだろう。春希は彼らの様に強い能力を持っていない。
魔法…それは突然として生まれた。その魔法を持った人口は急激に増えていき、今は人口の十分の九を占める。残りの1割の0.8%は一般人。他の0.2%は魔力そのものを持たず運動神経、頭脳指数が驚異的に高い種族…
神脈世代と呼ばれる人達だ。
春希はその0.2%の神脈世代の人間なのだ。
罵声の雨をくぐり抜けてようやく教室に着く。
そこに広がるのは、想像していた教室とは違った。なぜなら皆、陽気に話して楽しんでいるようなのだ。
???「君も、ここの生徒?」
後ろから声をかけられる。きっと、ここと言うのはノルマリオの事を指すのだろう。
春希は後ろを向き、声の主と対面する。
???「ごめんごめん。驚かせちゃったかな?ボクはここの生徒、薬師 悠牙。一応、ボクの法具は変形二丁拳銃、『ビーマ/レミオ』を使ってるよ。これから、よろしくね!」
いきなりこんなしっかりとした自己紹介をされて圧倒されていた春希だが、自分も悠牙に見習い自己紹介をする。
春希「俺は、月音春希。ノルマリオの生徒…ってのはここに居るから分かるか。法具は、『ゼヌア・ベルセルノ』。大剣だ。よろしく。」
自分の自己紹介を終え、手を握る。その少年…悠牙は微笑んで手を取った。その仕草は男の春希がドキリとするものがあった。
そのとき、チャイムが鳴り教室のドアが弱々しく開けられる。
???「す、座って下さーい!ほ、ホームルームを初めます!」
発せられた声が教室の喧騒を止める。見る限り、新任なのだろうか。メガネがズレては慌ただしく手を動かし直している。
???「き、今日からここの担任を勤めます、霧先美玲です!よ、よろしくお願いします!」
よろしくお願いしまーすと、教室の生徒達のまとまらない声が美玲に返る。
美玲「で、では…今から自己紹介をしたいと思います!じゃあ…左前列左側から後ろに回っていって、前に戻る感じでお願いします!」
春希にはいまいち説明が分からなかったが、皆は分かったらしい。順番に自己紹介が始まり、次に春希が回ってくる。
美玲「では、次の人お願いします!」
春希はワンテンポ遅れて立ち上がる。俺だったな、そういえば。
春希「月音春希です。趣味は…家事全般です。特技は…特にないです。これから1年、よろしくお願いします。」
至って普通の挨拶をし、その場を凌ぐ。つまり、春希は面倒なのが苦手なのだ。
そして、何とか自己紹介を乗り切った後、1時間目が始まる。
美玲「えー…ここがこうなる理由は…」
等とブツブツ言いながら黒板に白い文字を書き入れる。1時間目は数学だったので、美玲先生の独壇場らしい。
-だが、春希はと言うと…
春希(飽きた…どれだけ底辺の話をしているんだ…)
何故か落胆。それも仕方のない事だが。神脈世代はずば抜けて頭がいい為、魔術師等が受ける授業は時間の無駄にしかならないのだ。
美玲「えーと…では、この問題、春希君!」
春希が当てられる。問題は素因数分解の問題だった。
春希「えー…2の3乗×3の2乗では?」
当たり前の答えを言った。それだけなのに、周りからは歓声が上がる。
春希(なんで答えを言うだけでこうなるんだよ…)
春希は正直呆れ返っていた。周りからは尊敬の目で見られ、恥ずかしい気持ちもあるのだが。
美玲「春希君、ありがとうございました!」
その言葉を受け、春希は席に座る。そして、1時間目が終わろうとしたその時。割れんばかりのスピードでドアが開かれる。
そこには、143cm程の金髪ツインテールの少女がいた。制服はマギクレシアの物で、靴は青色…つまり、同学年の生徒だ。
???「ここに、月音春希っていうの、居るっ!?」
一同が耳を疑った。それは、なんとも言えないアニメ声で言われたら、耳を疑うだろう。春希もその1人だった。美玲は口を開け、唖然としている。春希は咄嗟に声を上げてしまう。
春希「お、俺だけど…何か用か?それと、名前を教えてくれると助かるんだけど…」
春希は恐る恐る金髪の少女に尋ねる。
???「私は、マギクレシア所属一年生、莉望 エレナ(らいの えれな)よ!」
彼女はエレナと言うらしい。エレナは、春希を指差し、大声で告げる。
それは、春希が1番聞きたくなかった単語。
エレナ「私と、魔法決闘しなさいッ!!」
腰に手を当て、こちらを指差し大声で告げた。
春希「………え?」
To be continue!!!
はい、どうもです。神威です。今回の魔法使いのアイゼンロザリオ、如何だったでしょうか?今回、とても短くなりましたのは次回にやりたい事が沢山あるんですよ。神威は、この手の戦闘シーン書くと長いんですよ。はい。
まぁ、前回同様ふざけていきますよ。
最近、神威の家の周りを野良猫がうろついているんですね。その野良猫と家の猫が喧嘩してるのを見て少し和んだりも。
野良猫「ブゥゥゥゥゥッ!!」
家の猫「フシャァァァァァァ!!!」
みたいな。しかも毛が逆立ってて。可愛かったですよ、とても。網戸越しに猫パンチする所なんて悩殺されるかと。(窓を開けていて、網戸越しのバトルでした)
そして、神威がノートに魔法使いのアイゼンロザリオを書き起こしている時に。(Webで投稿してるって言うのを友達に言ったらノートに書き起こして見せろと言われたので。)
なんと!イラストを書いてくれる事になったんですよ!イラストレーターさんは、もぐもぐさんと言う方でして、神威の友人でもあります。この場をお借りして、感謝致します。
今回はS氏、T氏、F氏にご協力頂きました。本当にありがとうございます。
次回は早め早めに書きたいと思うので、応援の程、よろしくお願いします。
神威 春華