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第5話 次のサイクルへ(3)

「それが…君の答えなんだね」


 そう言ってモノリスは静かに震え出す。

 そうしてこの星のある種の振動数を上げていく。

 それによって生物の進化の鍵は開放されていく。

 これは今までに何度もモノリスが行っていた生命発展のプロセス。


 けれど今までのような星の歪みを矯正するための急激な発展プロセスではない。

 なだらかで緩やかで優しい変化。

 これからこの星はゆっくりと新しく生まれ変わっていく。


 誰も取りこぼさないように

 悲劇が最小限になるように


 優しい翠の光がこの星を包んでいく。

 カレンの決断がこの星の多くの生命を救った事を誰も知らない。



「おい!大丈夫か?」


 旅館の布団の上でカレンは目が覚めた。


 彼女がモノリスに導かれた時、現地では彼女がいなくなったと騒ぎになっていた。

 そしてちょっとした捜索が行われ…しばらくして倒れている彼女を顧問が見つけ出した。

 どこも怪我していないと分かった彼女はすぐに旅館に運ばれて今に至る。


「あれ…私…どうしたの?」


「大きな岩の側で倒れていたんだ…何も覚えてないのか?」


「ああ…ごめんなさい…」


「いや、とにかく無事だったから良かった」


 目が覚めたカレンは違和感を感じすぐに荷物の中の自分の手鏡で自分の顔を確認した。


(やっぱり…)


 カレンの瞳は普通の色に戻っていた。

 もう石の声も聞こえない。


(あの時…モノリスは私を元の世界に返してくれたんだ…)


「ん?何か言ったか?」


「いいえ…何も」


「そっか、すまん」


 ここまで話してカレンはこの部屋に顧問とふたりきりだと言う事に気が付いた。

 そう思うと何だか急にすごく恥ずかしくなって


「あの…もう私は大丈夫なので…一人にしてもらえませんか?」


 と、顧問に言っていた。


「お…おう…分かった」


 カレンのこの言葉の顧問はすごすごと退散していった。

 そう言えば折角助けてもらったのに御礼の言葉も言っていない事を後で思い出した。

 次に顧問に会った時にちゃんと感謝の思いを伝えなくちゃとカレンは思った。


 あの後の事はもう何も分からない。

 他の約束の子供達もモノリス達も。

 けれど自分がここに戻って来れたって事はきっとうまく行ったのだと…

 無理矢理にでも自分を納得させるしかなかった。


「アレはアレできっと終わったんだ…もう気持ちを切り替えなくちゃね」



 写真部の合宿は三泊四日。

 陽射しはゆっくりと西に傾き部屋を紅い色に染めていく。

 明日こそはいい写真を撮ろうとカレンは一人意気込むのだった。



(おしまい)

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