第3話 森とモノリス
ある日、地球に隕石が落ちてきた。
上空で隕石はいくつかのカケラに分かれて世界各地に飛び散っていった。
それはまるで予め決められていたかのように。
幼いカレンはその飛び散った隕石のひとつを追いかけていた。
気が付くと彼女は彼女の地元にはないような大きな森に入り込んでいた。
そこがどこか分からないまま彼女は夢中になって隕石を追いかけていた。
そして彼女が森に入り込んでずんずんと奥に進んでいた時にそれは起こった。
大爆発。
強烈な爆風と高熱。
森は一瞬の内にその姿を変えてしまった。
隕石がどうなったのか…カレンはこの惨事でどうなってしまったのか。
隕石は燃え尽き…カレンは守られていた。
その森の深い地層にあったモノリスによって。
「カレン…ごめんね…」
その聞き覚えのある声は…そう、カレンを今この世界に導いていた声の主と同じ声。
あの声はこのモノリスが喋っていたのだ。
実はその声は隕石が落ちる少し前からカレンの夢に現れていた。
その頃のカレンはまだ普通の少女で周りと何一つ変わらなかった。
ただひとつ、理由もなく石が好きと言う一点を除いては。
「カレン…」
夢の中で不思議な声を聞いて周りを確認する幼い頃のカレン。
その頃のカレンはその声の正体が何物であるのかまだ知らない。
けれどその声が怖いものじゃない事は直感で分かっていた。
「誰?」
「お願いだ…僕に会いに来て欲しい」
モノリスはカレンに夢で話しかけていた。
その声は優しくて彼女は一瞬でモノリスを気に入っていた。
「無理にとは言わない…他に大事なものがあるのなら…」
「うぅん!行くよ!」
カレンはモノリスのお願いに即答した。
モノリスは彼女が自分の要請に応えてくれた事に対して感謝を示しやがてやがて星が導くと言い残してその夢は終わった。
モノリスによって隕石の爆発に守られたカレン。
ついに声の主に会えた彼女は喜びと感動で胸が一杯になっていた。
「こうなる事は前から定められていたんだ…でも出来れば君を巻き込みたくはなかった」
「でもあなたは私を守ってくれた…私の命の恩人だよ!」
カレンは初めて見るモノリスに瞳をキラキラ輝かせていた。
モノリスに出会えた事でそれ以外の不条理な事は彼女の頭の中から綺麗さっぱり消え去っていた。
「私は何をすればいいの?」
「…そうだね…僕達を導いて欲しい」
カレンの質問にモノリスはまず自分の話を話し始めた。