高い山と低い山
2015/2/8/14:53
足柄宅
足柄の家に着くなり、時雨は寝てしまった。
寝てる場所が悪く足柄が事故と言う名の故意に蹴ってしまったが、起きないあたりそうとう疲れていたのだろう。翠は自室にて勉強しているのだろう。ろうかを挟んだ反対側からは時折ページを捲ったり、英単語等が聞こえる。元々、足柄は3階建ての二階に住んでいた。足柄の家は3階建てである。一階は足柄が店長を務める喫茶店があり、2階は倉庫と足柄の部屋があり、3回は翠と時雨が住んでいた。親がいなくなってから、時雨が大家をしていた
貸家|(一軒家)に引っ越したのだ。時雨は昔からの旅人で普段から
どこにいるのかわからない人であったので、足柄と翠を引き取り
住まわせ掃除等をさせていた。夕方の5時を過ぎ翠が足柄の部屋をノックした。
翠「兄貴何食べたい?」
足柄は驚いた。基本的に翠は足柄に御飯のメニューを聞いたりしない。全て、自分できめてやり繰りするからだ。
足柄「珍しいな」
翠「時雨おばさんきてるからせっかくだし外に行こうかなと」
足柄はやっと理解したという顔になると、時雨を起こしにかかった。足柄は長年の経験から時雨に常識が通じない事を知っている。そして、足柄は徐ろにたち上がると窓を全開にした。当然冷たい風が部屋を支配する。すると時雨は顔だけを足柄の方に向けながら、
「あたしは翠ちゃんを頂こうかしら」
と一言。
足柄はため息を吐くと、時雨を無理矢理床から引きはがした。
足柄と翠と時雨は3人で夜道を歩いていた。外はまだ明るいが、道路を走る車はライトを付けて走っていた。傍から見ると仲のいい親子だが、その中で繰り広げられる会話はとてつもないものだった。
足柄「時雨さんて今いくつなんですか?」
時雨「あらあら この僕はこんなおばさんにナンパしちゃうのかな?こんな可愛い嫁がいるのに」
足柄「ナンパしてませんし こいつは嫁じゃない」
翠「そうだよ兄貴!私がいるのに他の人に目移りしちゃ」
足柄「お前もそういう事は外で言うのはよせ」
翠「家の中ならいっぱいのあいをさけんで良いんだね!」
足柄「好きにしろ」
時雨「着いたわよ ってここ超人気の店じゃない!」
足柄「予約取っときました。」
翠「お店の常連さんがここの店長さんで、兄貴が時雨おばさんの為に予約入れてくれたんだよー」
時雨「あらあらこんなことしてこの子はそんなに私を抱きたいのかしらぁ」
そう言いながら自分の胸元を見ると、足柄の腕を胸と腕の間に絡ませてきた。時雨は結構胸は大きい。夏になると時雨は胸元が大きく開いた服を着るため、喫茶店はかなり儲かった。翠は自分の胸と自分の胸を見比べて、1人轟沈していた。
そのまま店で夕食を済ますと、3人は真っ直ぐ帰路についた。