夢の現実
2015/2/8/9:19曇り
日本国領内 東京国際空港羽田 国際線ターミナル
足柄「なんでダメなの?」
??「ダメに決まってるでしょ・・・普通に考えて」
足柄「翠 何故、俺がこの大事な日に国外に逃亡するか分かるか?」
翠「会いたくないんでしょ? あの人に」
足柄「わかってるなら止めないでくれ」
この二人は兄妹である。妹の翠は兄と違い自称 完璧すぎる変人と名乗り駄目な兄をいつも支えてきた。足柄が店をやっていけているのも、翠のお陰だった。実際、翠は現在中学3年である。成績も優秀で高校に行くなら大学に行ったほうがいいと言われるほどの天才である。だが、翠は家業を継ぐことを公言している。その理由が、
'変態な兄貴には私がいないとダメな兄貴になってしまうから'
という何とも兄思いな理由である。見た目には格好いいが、翠は
兄の事になると、いつも決まって顔がニヤケ酷い時は口からヨダレが垂れる。このあたりが翠を完璧すぎる変人と呼称させる要因である。実際、翠は昔は頭はそんなによくは無かった。だが、足柄が高校の時に両親は蒸発し当時幼かった翠には、足柄が兄であり親であった。それだけに、足柄がご飯、お風呂、勉強、何でもみてやった。翠や足柄が分からない問題は足柄が代わりに答えの欄に、謝罪の言葉と判を押して学校におくりとどけていた。
翠がブラコンになったのもこの時期である。翠が足柄に、どうすればずっと一緒にいられるかと質問したところ、足柄は
「お前がとんでも無い天才になったらオレの嫁にしてやる。」
という問題すぎる回答をした日から翠は人が変わったように勉強
をし始め気が付くと歴史的な知能の向上を見せていた。だが、兄と一緒にいたい! お嫁さんになる!というへんな目標の元に勉強した結果、ある種の暗示状態になり本人にはなんの疑問も無いといった結果になった。
翠「今日は時雨おばさんが来る日だって兄貴が言ってたじゃん。」
足柄「あの人には世話になった。だが、あの人は人の嫁を勝手に持っていく。」
翠「兄貴言ってたじゃん!前にあの人は俺の師匠だ!って」
翠「そう言えば、時雨おばさんフランスにいるらしいよ?」
足柄「どうやら俺が乗る機体にトラブルがあったらしい 帰るぞ」
??「そうねぇ~トラブルがあったから早くついちゃった~」
足柄は既にそこにいなかった。全速力で逃げたのだ。声の主は足柄が師匠と崇める時雨だった。だが、時雨の方が上手だった。
時雨「翠 野郎はほっといて先に帰りましょ?あいつの荷物はこちらが押さえてあるし」
足柄は素直に観念すると戻ってきて、時雨を連れて家へと帰っていった。
帰りのタクシーの中で時雨は足柄に真剣な顔で
「話がある」
とだけ発した。
現時刻
10:14曇り