2/4
私の好きな人
「痛っ…!なにするのよ!」
ここは城内の廊下。
「ふん。あまり変な真似をするなと言っているんだ。まったく、とんだ姫君をよこしてくれたもんだぜ。カトレリアの国王は一体何を考えているんだか。第一、お前もお前だ。」
そう言ってレオンは振り返ってシュードを見た。
「自分のご主人様が抱きついてきたら普通止めるだろ。」
「まあまあ、レオン様も落ち着いて。」
重臣の一人がなだめる。
「落ち着けるか!」
そしてまたぶつぶつと言い始めた。
「・・・うるさい。」
「はあ?」
「うるさいって言ってんのよ!」
と、それまで何をされても口を閉ざしていたアリナが口を開いた。
「私の事ならまだしもお父様やシュードのことを馬鹿にするのは許せないわ!大体、私がいつ、どこで、だれに抱きつこうと私の勝手でしょ!あなたには関係ないわ!私はシュードが好きなんだから別にいいじゃない!まったく、私だってあなたなんかお断りよ。それこそお父様の命令でもない限りね!」
アリナはそう一気にまくし立てると後ろにいるシュードを振り返った。
「行きましょ、シュード!」
「はい。」