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VS“大物”クラウンゼブラ

「まず確認したい。アンタらみんな魔法使いなんだよな?」


「なんの質問だ」


「魔法使いがいたソルト騎士団みたく中には剣士タイプがいるんじゃないのか?」


「一人残らず魔法のエキスパートだ」


「そっか」


 両手に雷を纏わせて、大きく振り上げる。


「それを聞いて安心した」


 それを地面に叩きつける。

 地面を破壊し、破片と砂煙を周囲に飛び散らせる。

 同時に轟音が周囲に響き渡る。


「ぐっ! この音は……!」


「魔法が……くそ! なんとしても捕まえろ!」


「だが目が……」


「っ⁉︎ あいつはどこにいった⁉︎」


 砂煙が晴れるとそこにターゲットはいない。

 魔導隊は動揺している。

 だが一人だけ、余裕を持って空を見上げていた。


「今の衝撃は目眩しと同時に、自身の体を真上にふっ飛ばすためだった。そして狙いは———」


 飛び込んだ俺の雷の拳を、手のひらから噴き出す水流で受け止められた。


「隊長の俺と言うわけだ、考えは悪くない。お前は決して逃がさん。クラウンゼブラの名にかけて」

 水流に押し飛ばされる。

 俺の攻撃を片手で受け止めたクラウンゼブラは、神輿に座り直す。


「おい俺のそばにいる奴ら、神輿を守れ。やつはここへ真っ直ぐ来られない」


 指示により隊長の周りが固められてしまった。

 地面に着地する。


「奴を取り囲め。そして一人ずつ挑め、その間に壁を作る。屋根上部隊! お前らはそのままだ!」


「はっ!」


 数十人単位で囲まれる。

 さらにその外の、逃げ道となるルートが塞がれている。

 屋根上にも人がいる。


「時間稼ぎだ、付き合ってもらう。跳ねっ返り」


 マックスと呼ばれていた男が、ローブを脱ぎ捨て姿をあらわにする。

 綺麗でサラサラな金髪を輝かせて、燕尾服とよく似たスーツを着ていた。ネクタイを締め直し、拳を構える。

 手に炎を纏って殴りかかってくる。


「くっ!」


 格闘術なんてない。

 相手からの攻撃をなんとか受け止め、カウンターを腹に喰らわせる。

 確実に入った、だが効いていない。


「へっ」


「なっ⁉︎」


 固い。

 雷を強くして奴のスーツを焼き払うと、中から鎖帷子が現れた。

 この世界の防弾チョッキみたいなものか。

 幾つもの炎の玉を手のひらから放ってくる。彼から飛び退いてから、飛んでくる火の玉を躱す。

 周りを見るとどんどん包囲網が固くなって行くのがわかる。


「時間をかけられない」


「“ディグヒート”」


「ッ⁉︎ 地面から⁉︎」


 一秒もなかった。

 地面が盛り上がったかと思えば穴が空き、そこから火柱が噴き出した。

 バク転で後ろに飛んで躱す。


「身のこなしは一流か。なら……全員、土の壁を張れ!」


 マックスの指示で俺を取り囲む魔法使い達が土魔法を使って、彼らの全身を覆う壁を作り出した。

 土属性でない魔法使いは集団の後ろに退がり、土の壁を張れる魔法使いが前に入れ替わる。

 そして俺の周りは完全に壁に囲われた。


「これが読めるか? “スクランブルヒート”!!」


 マックスはすぐそばの壁に向かって幾つもの炎の玉を打ち出した。

 玉は壁にぶつかって跳ね返り、また別の壁まで飛んで行って跳ね返る。

 まるでビリヤード。あちこちから跳ね返って飛び交う火の玉。壁にぶつかっても跳ね返るし、火の玉同士がぶつかっても跳ね返る。動きが読めない。


「ぐあっ!」


 避けようとしたが後ろから飛んできていた火の玉に当たってしまう。

 ビキニを着ていて露出していた背中が焼けるように痛い。

 真上を見ると土の壁に覆われていない。

 あそこからなら脱出できる。さっきと同じように雷を纏った拳で地面を叩き、自分の体を吹っ飛ばす。

 天井の穴から抜け出した俺だったが———


「“ビジョン:スワンヌ”」


 突然俺の周りに水が生まれて、それが勢いよく渦巻きを起こした。


「なっ⁉︎ か、体が捕まる……!」


 激しい回転の水流に飲み込まれてしまう。

 そしてそのまま中央に向かって流されて、真下に向かって落とされる。

 受け身を取って落下ダメージを軽減できたが、しかし空中に現れたあの渦巻きは一体……⁉︎


「“クラッシュヒート”!」


「ッ! くっ!」


 地上に降りればマックスがいる、その事を忘れていた。

 炎を纏った拳で腹が殴られた。

 さっきのお返しとばかりに。

 ガードが間に合わず吹っ飛ばされて、魔法使いが作った土の壁に激突する。


「“ホットマイル”」


「服が焼けて……?」


 全身が燃え上がり、ネクタイだけを残して服が煤となって空中に霧散した。

 そしてスーツ燕尾服の中から、腕まで覆う鎖帷子が現れる。それが炎を纏って燃えていた。


「剣士の特徴である属性を纏う手法。それを熱伝導のある鉄で補い……おっと、これ以上は魔法にとって無粋か」


 走ってタックルをしてくる。

 それを素早く走って躱す。

 近距離戦を仕掛けてきている。土の壁を乗り越えることはできない。壁際をぐるぐると回る。


「今度はこっちを惑わすか。だったら再び“スクランブルヒート”!」


 飛び交う火の玉。

 あれを躱しながら、走って相手のスキを窺う?

 ……もう一度、あの渦巻きの正体を知る必要がある。


「……行けるか? やってみるか!」


 超高速のまま、壁に足を乗せる。

 勢いに任せれば壁を垂直に走ることができた。

 そのまま天井の穴まで駆け上がる。


「二度もさせるかよ!」


 火の玉が下から飛んでくる。

 脱出口はすぐそこだ。剣を取り出して、向かって来ていた火の玉を払う。真っ二つに切断し、火の玉は空中で消滅した。


「なんだと!」


(出るッ! さああの渦巻きの正体は……!)


「“ビジョン:スワンヌ”」


「———ッ! あの隊長の魔法か!」


 壁を走った勢いのまま飛び出すと、またしても空中に水の渦巻きが出現した。

 だが今回は走った勢いがある。出現した渦巻きを突き抜けて、さらに上空へ飛び出す。

 地上の全体を見渡せる。土の壁でできたドームはさっきまでいた場所。そしてドームから離れた位置にクラウンゼブラの神輿と、彼を守る守備部隊の集団。


「あの隊長の魔法は厄介だな」


 神輿に座ったまま、手をこちらに向けている。

 渦巻きでドームから脱出しようとしていた俺を食い止めていた。

 屋根上には魔法を構えている魔法使いがいて、空中に飛び上がった俺を狙っている。火、水、風、土、雷のあらゆる属性の攻撃が一斉に飛んでくる。

 土属性の魔法攻撃を探す。


「土は、あれだ。雷、風、火より遅く、水より速い土塊の弾丸!」


 空中で身を翻し、雷は甘んじて攻撃を受け、風と火は剣で切り裂き、土の弾丸には足をかけてそれを踏み台とし、地上に向かって落ちる。

 狙うは再びクラウンゼブラ!


「“ビジョン:ウルフレイン”」


 座ったままの彼の周囲に、青い水で作られたオオカミが現れた。

 10体以上いる。

 それらが落ちてくる俺に向かって飛んできた。

 全身に雷を纏い、空中での動きを補助。剣でオオカミ達を切り裂こうとしたが……。


「ッ⁉︎ け、剣が水を通り抜ける! き、効かない……あがっ!」


 水は切れない。

 狙って振った剣はオオカミの体を通り抜けてしまう。

 そして突進して来たオオカミが体に衝突すると、渦巻くような水流がオオカミの体内を流れていて、接触した瞬間まるで噛まれたような激痛が走る。

 左肩、左太もも、右足、剣を持った右腕が噛まれる。

 肉が裂かれ血が出る。

 さらに突進して来た衝撃のせいで、落ちていた勢いが殺され、途中で止まってしまう。クラウンゼブラまで届かなかった。


「“ビジョン———」


「!」


 クラウンゼブラが立ち上がったかと思うと、両手の手首を重ね、花の形で広げたその中に激しく荒れ狂う水の塊を出現させた。

 それを左腰の後ろに引き、そして思いっきり前に突き出しながら水の塊を破裂させ、とてつもない勢いの水流を打ち出して来た。


「———レトリーバー”」


 空中で撃ち落とされてしまう。

 落ちる先はドームの中、マックスが待ち構えている。


「“ディグヒート”で、もっかい飛べ!」


 地面から吹き上がる火柱。

 咄嗟に剣で炎を防いだが、そのままドームの外に飛ばされる。


「一斉砲撃」


 クラウンゼブラの指示で地上部隊と屋根上部隊が、一斉に魔法を打ち出した。

 左手に剣を持ち、右手に斧を取り出す。そしてその重さを利用してドームの外壁に落ちる。

 一斉攻撃は躱せた。

 そのままドームの外周を駆け下り、土の壁を作っている魔法使い達を狙う。ビビった彼らは壁を消して逃げていく。

 壁が消えた。

 着地した瞬間、地面を蹴って猛スピードでマックスを狙う。

 壁が消えた動揺と、俺のスピードに思考が追いつかず反応が遅れている。

 横にした斧の腹でマックスを殴り飛ばした。


「ぐぅあ! ち、ちくしょぉ!」


 地面を何回かバウンドして飛んでいく。

 飛んで行った先で仲間にぶつかり、それがクッションとなって助かっていた。


「“雷鳴”———!」


 剣をしまい、雷を纏った『天狗の雷斧(シエルドッグ)』で地面を叩き割る。

 激しい音が鳴り響く。

 その衝撃で、今度は斜め上に向かって飛ぶ。

 狙うは神輿の上のクラウンゼブラ!


「ほう? 学習したか」


 俺の、最大の一撃だった。

 斧を全力で振って神輿を壊そうとした。

 だがそれが水の壁に阻まれる。分厚い水の盾は、俺の斧を中に引き入れ、浮力によってパワーを減らす。そして振り抜いた時には威力は激減しており、神輿を壊せなかった。

 そもそも水の壁によって当たらなかった。


「だがまだまだ貴様は未熟だ。“ビジョン:レトリーバー”」


「ッ! またあの滝みたいなのが、グハアッ!」


 激しい水流に吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられる。

 全身に痛みが走る。


「守備部隊、奴を取り囲め」


 神輿を守っていた魔法使い達がこちらに向かってくる。

 なんとか起き上がり、斧を構える。


「囲むだけで接近戦はするな。ウルフはまだいる」


 クラウンゼブラの指示。空中で襲って来た水のオオカミが一体、こちらに歩いてくる。

 飛びかかって来たのを、斧で振り払おうとするが刃は水を通り抜ける。そのまま首元を噛みつかれる。

 水流の流れる足で体が押さえつけられ、押し倒される。

 必死に斧を手放さないようにするのでやっとだった。噛みつかれた首の血が、オオカミの水の体に吸い込まれていき、青かったオオカミの牙が赤く染まる。


「ぐああっ!」


 痛みで全身から力が抜けそうになる。

 押さえつけられて、起き上がれない。

 まるで吸血鬼に噛まれたみたいに、首から血が吸い取られる。


「……マックス、見ろ」


「はい」


 クラウンゼブラがマックスに話しかけている。


「すごいぞ、アイツあんなに押さえつけられても斧を決して手放さない」


「ええ、強いです」


「油断したか?」


「……いいえ、実力です」


 ゴオッ!とマックスの全身が激しく燃え上がる。

 ネクタイも燃えて消えた。


「次はやられません」


「ふっ、そうか。で、さてこれからどうするか」


「ソルト騎士団の副団長と、ボルト魔導隊の隊長側近。あの二人はどうします?」


「……放っておけ。ヤツの心意気を汲んでやろう」


「心意気、ですか?」


「戦闘を始める前、関係ないと言わんばかりにヤツは副団長の女と会話をしなかった。副団長を庇ったんだろう」


「流石隊長、優しいですね」


「くくくっ、優しいか?」


 クラウンゼブラの笑いが聞こえる。


「これからあの暴れ天狗を飼おうというんだ。エサは必要だろう」


「了解しました。では騎士団の団長と、魔導隊の隊長に使いを向かわせます」


「いいやそれは俺がやる。お前は、皇帝陛下へ伝達だ」


「御意」


 マックスが立ち去っていく。

 俺は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 ()()()()

 血が抜けて、体が冷えて力が抜ける。

 ()()()()()()()()()()()()()()

 ()()()()()()()()()()()()()()()


「さて、イナカミ・ライコ」


 まだ気づかれていなかった。

 オオカミが離れて行き、解放される。


「貴様の科学知識を有効的に活用するため、貴様にはこの国の言語を覚えてもらう。いや、副団長などと会話できるようだから必要ないか?」


「お、れ、は……」


「ん?」


「俺は———雷だ!!!」


 手の中に溜めて溜めて溜めていた雷を地面に撃つ。

 ドオオオオォォォォォッッッンッッ!!

 轟く雷鳴。

 弾ける地面。

 それら全てが、()()()()()()()()()()()()()


「ッ———! これは、いや、まさか貴様、最初から———ッ!」


「クラウンゼブラアアアッッ!!!」


 跳ぶ。

 クラウンゼブラの———神輿に向かって!

 雷を纏った斧で今度こそ神輿を粉砕する。


「最初から我ら魔法使いの思考を妨害し、魔法を使えなくすることを狙っていた!」


 地上に降りてくるクラウンゼブラ。

 一度地面を殴り、轟音と共に飛び込む。

 音のせいでヤツは魔法が使えない!


「“大物”をナメるなッ!!」


「ッ⁉︎」


 今度はクラウンゼブラが地面に魔法を打ち出した。

 思考はできないはず。

 思考をしないまま、無理やり魔法を打ったのだ。

 それは向かっていた俺を吹っ飛ばすほどの威力を持っていた。

 距離が離される。


「ウルフも消えている、ここまでか。だが、これならどうだ?」


 クラウンゼブラは自身の両耳を両手で覆うと、水の膜を張った。

 そして再び水のオオカミを出して来た。

 地面を殴り轟音を出す。

 だが、オオカミは消えなかった。衝撃で飛んでしまった俺に飛びかかって来る。もみくちゃになりながら地面に転がり、再び地面を殴って無理やり脱出する。

 見ればクラウンゼブラは余裕そうに立っていた。


「くくく」


「まさか耳を水魔法で覆って音を聞こえにくく⁉︎」


「その通り。完全に遮断はしないがな、戦闘において音は重要だ。だがこれで貴様の奇策も———」


 体を捻って振りかぶり、持っていた斧をぶん投げる。


「———⁉︎ ははっ! そう来たか!」


 オオカミを盾にして防ごうとするが、水の体に刃は通らない。そのまますり抜けて飛んでいく。

 クラウンゼブラの近くまで飛んで行った斧は、水の壁に止められる。

 ()()()()()()()()()()()()()()()。でっぷりと膨らんだ横腹を蹴り飛ばす。


「ぐがッ!」


 魔導隊の仲間の方に飛んでいき、魔法使い達は巨体に押し潰されていた。

 壁に止められていた斧を拾う。


「このクラウンゼブラが蹴り飛ばされるとはな……!」


「多分、真っ向からやればアンタのほうが百倍強いはずだ。けどそれを埋め合わす戦法が、俺の雷にはある!」


「……トールオブキッズか……神など、ロマンがない!」


 オオカミが彼の周囲に現れて、こちらを睨みつける。

 だが、睨むだけで何もしてこない。

 クラウンゼブラは思考しているようだ。魔法ではなく、俺を見つめて何かを考えている。


「……貴様のスピード。ここを抜け出せばもう捕まえるチャンスは来ないだろう」


「………」


 抜け出せれば、の話だけど。


「……そうだな。ふっ、ならば……()()()()()()、と言っておこうか」


「え?」


 わからなかった。

 クラウンゼブラは———また両耳に手を当てたかと思うと、プシュッ、と音がして耳から血が吹き出した。


「なっ⁉︎」


「ハハッ、何も聞こえん」


 何がおかしいのか、彼は笑っている。

 服の前留めを引き千切ると腹を曝け出した。そして顎を上げて、首を見せつけて来る。


()()()()()()()()()()!」


「は、はあ⁉︎」


「お? 驚いているか、聞こえんが」


 周りにいる魔法使い達が騒いでいる。

 やめてください、と声が上がるがその声も聞こえないのだろう。

 クラウンゼブラはただただ不敵に微笑んでいた。


「その驚いた顔が見れただけでも良しとするか」


「なんの、つもり、で」


「疑問か? ふっ、貴様のスピードは捉えきれん。だから国に縛り付ける。この俺様を殺したという名声が、呪いとなり、貴様を決して逃さない」


「………」


「どこへ行こうともな」


 この人の覚悟は本物だ。

 自身の命と引き換えに、俺を国の敵とする。

 そうすることで例え今回捕まえられなくても、クラウンゼブラを殺した事実は消えず、誰からも注目され、逃げても隠れてもいつかは国に捕まる。


「異世界、か。こんな人もいるんだ」


「どうした? ここから逃げたいのではないのか? 俺が死ねば指揮統率が崩れるとわからないか?」


「…………」


 足に力を入れ、クラウンゼブラに向かって走る。

 斧を持つ手に力が籠る。

 そして———彼の体を踏み台にして、建物の屋上に飛び上がる。


「殺さぬか、……⁉︎」


 バシャ、とクラウンゼブラに俺の投げ捨てた回復ポーションがかかる。


「これは……」


「名声なんていらない」


 屋上の一番動揺していた魔法使いを屋根の上にのして、無力化させる。

 もう耳は治って、聞こえるよな。


「アンタが覚えてくれてりゃいい」


 すぐに屋根の向こう側に降りて、どこか誰もいない場所に逃げる。

 路地裏を走る。

 雷のスピードは出さない、街中だから人とぶつかってしまうかも知れないから。それでも人並み以上の速度を出して駆け回る。

 建物に囲まれた、ひと気がなさそうな奥まった四角い空間があった。周囲をしっかり確認してから、異世界から戻るために装置を作動させる。


「もうこの世界とはお別れかな」


 異世界から戻る、刹那———!


「待って! ライコ!」


 ルミノが背後に現れた。

 なぜ彼女がここに⁉︎まさか俺を追いかけて来て⁉︎

 なんの言葉も発せないまま異世界を脱出して———


 ———次の瞬間、俺はA2E2世界にいた。


 ———ルミノと共に。

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