7 悪い予感
どうも胸騒ぎがして女子職員A子はB子が少年を苦しめていないか見張った。
その結果B子が犯人であるとわかった。
A子はB子に詰め寄るように迫った。
「なによ。あたしも反省してるのよ。そりゃ行動は軽はずみだったけどあたしも聞いてて怖かったのよ。まさか誰かに特定されるとは思わなくて」
B子のしたことを社内の同僚が偶然見つけてしまったらしい。
「よその人が判らないかも知れないけど、第三倉庫の話とか私とあなたの会話の内容がリアル過ぎるのよ! 社内の同僚ならピンと来るに決まってるわよ!」
B子が書いたブログだとまで誰も知らないみたいだが。
この会社のことだと噂になった。
噂は光の速さで広まったようだ。
例の少年は瞬く間に社内で敬遠される存在になっていった。
皆が彼の過去を口々に問うのだ。
さすがに殺人犯はねえ、と。
少年がA子に話した通りなら、誰も寛容になりきれない。
しかしよくそんなに短期間で刑期が終えられたものだと口々に。
少年と事件内容と少年法のはざまでみんなの心が激しく揺れてしまったのだ。
この少年が前科者で訳ありであることは周知の事実となった。