最終話 無敵の2人!!
この先に、新たな世界がある。この先に待ち受ける世界は、きっと俺たちには全く考え付かないようなものだ。……このミヴァリア王国での出来事が、生易しく思えるようなことが起こるかもしれない。逆に、あくびが出るほど退屈なものかもしれない。
もしかしたらこうで、いや、きっとこうで、でも、こういうのもあるかも……。
……なんだろう、心が、踊っている。
誰かに保証されなくとも分かる。
この先に待ち受ける世界は、きっと面白い。
「夢」
呼ばれて、隣を見る。そこでは実幸がこちらを見上げて、笑っていて。
「一緒に、来てくれる?」
「……今更それ聞くか?」
「確かに今更だけど!!!! 念のため!!!! 確認!!!!」
馬鹿正直に聞き返す俺に、実幸がそう憤慨する。まあ最終確認を取るとしたらここだよな。俺は思わず笑った。
「もちろん、どこまでだって一緒に行くよ」
「きっと、また大変なことがあるよ」
「上等。……でも、大丈夫だろ」
だって、と告げると、実幸の口角も大きく上がる。俺たちは顔を見合わせ、同じ笑顔を浮かべて。
「「俺・私たちは、2人揃えば無敵なんだから!!」」
示し合わせていないのに、驚くくらいぴったりと声が合う。
それこそはやっぱり、俺たちが無敵だという何よりの証拠だ。
「大丈夫、私たち2人が揃えば、きっと元の世界にだって帰れる!! もちろん、色んな人も助けて、幸せにするよ!! そのうえで!!」
何故なら~、と実幸は、魔法のステッキを取り出し、クルクルと回す。
「無敵な私たちは、文字通り〝何でもできる〟んだから!!」
無敵ってフレーズ、気に入りすぎだろ。俺はそう思いつつも、何も言わなかった。……何故なら、全力ブーメランだからだ。お恥ずかしいことに。
自然と互い、手を伸ばして、しっかり繋ぐ。決して離れぬように。
「「せーのっ!!」」
掛け声と同時に、地面を蹴る。
視界の端で、実幸の頭に付いているリボンが揺れた。……やっぱり、俺はこいつがいる限り、ずっとラッキーなんだと思う。
そして満面の笑みを浮かべた俺たちは……夜色のモヤの中に、消えていった。
俺たち2人が揃えば無敵。怖いものなんてない。
きっと、無敵で、〝何でもできる〟俺たちの物語は……まだまだ始まったばかりだ!!




