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第0話 おわり

 あの女に出会ってしまったことが、俺の人生最大の過ちだったのだ。


 大きく開いた傷口だけが熱を持っている。呼吸が荒い。痛い、痛い、痛い──。どうにか生きないと、とは思うが、全身の穴という穴から生きる力が抜けていく。そんな感じがする。

 ああ、これが、「死」なんだ。俺は直感的に確信した。


「──……っ!! ……ぇ!!」


 耳元であの女が叫んでいる。元はと言えばお前のせいだろ……。ああ、うるさいな。黙れよ。





 俺は目を閉じる。静寂だけが、俺のことを抱きしめていた。

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