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エッセイ集

なろうの異世界恋愛が侯爵令嬢ばかりなのはおそらく女性はシンデレラストーリーが好きだからじゃないかな?

作者: 水源

 さて、なろうの異世界恋愛では公爵令嬢がヒロインのパターンが多いですが、これはおそらく女性はシンデレラが好きだからじゃいかな? と思います。


 そして、シンデレラのお話というのはディスニープリンセスだと結構ほのぼのしてますが、もとは結構ドロドロしてるんですよね。


 大まかにいえばこんな感じ。


 ゼゾッラはナポリ大公の娘で継母にいじめられている。


 そこでゼゾッラが相談したのが裁縫の家庭教師の先生で、先生はゼゾッラに策を授ける。


「お母様に、大きな衣装箱にしまってある服を出してくださいと頼むのです。

 そしてお母様が箱の中をかき回している間ふたを支え、急に手を放して首を折ってやりなさい。

 そのあとお父様に甘えて、先生をお母様にしてと頼みなさい」


 ゼゾッラは言われた通りのことを実行し、1人目の継母を殺害する。


 その結果先生が2人目の継母になるのだが、連れ子である6人の娘とともに宮殿で我が物顔にふるまい、手のひらを返すようにゼゾッラを虐待する。


 与えられたのはボロボロの服と小さな木靴のみで、部屋も寝床も与えられなかったため、寒さにこごえたゼゾッラは丸まりながら暖炉の灰に残ったかすかな暖かさでそれをしのぐ。


 身をすくめるように丸まりながら灰にまみれて眠るその姿を継母や姉たちは嘲笑い、彼女はチェネレントラ(灰かぶり猫)と呼ばれるようになった。


(フランス語:サンドリヨン、ドイツ語:アシェンプテル 、英語:シンデレラ)


 そんな彼女の転機は、父親が仕事で市場へ出かける際、娘たちに「お土産は何がいい?」と尋ねたときのことだった。


 このとき姉たちはこぞって高価なものをねだったが、チェネレントラは姉たちと同じように高価なものをねだったりすれば、また「調子に乗るな」といじめられてしまうため、


「パパの帽子にささった木の枝がほしい」


 と言う。


 約束通り父親はチェネレントラに、ハシバミの木の枝を持って帰ってきた。


 彼女はその枝を実母の墓参りに持っていき、墓のうえに埋め涙で育てた。


 その後、毎日母の墓に祈り続けると、木の枝は大きなハシバミの木に成長し、彼女の手助けをしてくれる白い小鳥たちが集まってくるようになった。


 そんなある日のこと、チェネレントラの一家のもとに、王子主宰の舞踏会の招待状が届く。


 これを聞いて玉の輿を狙おうと企んだ継母は、ふたりの姉たちをパーティに参加させるべく、きらびやかな衣装などを用意し始める。


 そんな様子を目の当たりにしたチェネレントラは「自分も参加したい」というが、当然認められるはずもなく…「これを全部拾えたら行ってもいいわよ!」と、暖炉の灰のなかにエンドウ豆をばらまかれてしまう。


 大量にばらまかれたエンドウ豆を灰のなかからすべて拾い上げるのは難しく、途方に暮れていたゼゾッラだが、白い小鳥たちが、灰のなかにばらまかれたすべてのエンドウ豆を拾い集めた。


 そして、衣装としてドレスと金の刺繍靴を小鳥たちが運んできてくれ彼女は城へ。


 舞踏会の会場であわよくば王子と結婚したいと、各貴族の娘達ががつがつ自分を売り込む中で、純粋に舞踏会を楽しみにしていたチェネレントラは、その奥ゆかしい態度、品のよさ、優雅な物腰など内面から滲み出る美しさに、王子が一目惚れする。


 こうして3日間のパーティのあいだ、王子様はチェネレントラに会うことだけを楽しみにしていたが、彼女はいつもあまり長居せず、そそくさと帰ってしまった。


 そんなパーティも3日目のこと、チェネレントラをなんとしても引き止めたい王子様は、階段にあらかじめヤニを塗っておき、それを踏んだチェネレントラがくっついて逃げられないようにしようと考えた。


 これによってチェネレントラの靴はくっついて脱げてしまい、その靴のサイズを頼りに王子様は彼女を探そうとするのである。


 靴の持ち主と結婚したい王子様は靴が合う女性を探し、チェネレントラの姉たちも靴ををなんとか履こうとする。


 そこで継母がいう。


「花嫁になればもう歩く必要はないんだからナイフで足を削り落とせ」


 と。


 そして姉二人は実際にナイフで足を削り落として靴に足を入れたが靴から血が滴っていたため、嘘がバレてしまう。


 そしてチェネレントラに靴がピッタリであることを確認する。


 王子とチェネレントラの結婚式で姉はチェネレントラにへつらってうが、た白鳩に両目ともくり貫かれ失明し、それを知った継母は主人は首を吊って自殺してしまう。


 チェネレントラは彼女達が今までの報いを受けた事に満足し、うれしさに満面の笑みを浮かべいった。


「計画通り……(にたり)」


 とまあこんな感じのお話ですね(違)。


この系統の話で最も古いものは、ギリシャの歴史家ストラボンが紀元前1世紀に記録したロードピスの話があるくらい古くかある系統のお話です。


 それはともかく基本的には「幸福だった高貴な生まれのヒロインが成長して迫害され、その後に幸福を取り戻す話」なのですが婚約破棄系ざまあというのはこの系統の話なのですね。


 なら別に中世ファンタジー風の世界でなくてもよくないか・ とも言えますが中世ファンタジー風的世界の公爵令嬢であるメリットは確実にあります。


 女性が結婚相手に求めるのは財力、権力の大きさや、容姿、頭脳、性格の良さなどですが、公爵令嬢に釣り合うような身分の相手である王子などであれば財力、権力の大きさはまず間違いなく持っています。


 そして頭脳、性格の悪い王子などに冷遇されて、頭脳、性格の良い隣国の王子や辺境伯に助け出されて幸せになるというパターンは相手の頭脳、性格だけ問題にすればいいわけです。


 玄室的な世界だと自分の好みでないうえに財力も権力もない男にも好かれたりするわけですがそれは面倒なわけですね。


 そしてなろう異世界恋愛で両親が妹や姉を溺愛して主人公が冷遇されているパターンが多いのもシンデレラの類型だと思えば不思議なことはありません。


 そして日本にも似たような内容の落窪物語がありますが、あえてシンデレラなのはディスニーの大きな影響力によるものかなと思います。


 というか落窪物語は知らない人の方が多いでしょうしね。


 そして女性は男性と違い、自分にとって特別で最高と思えるただ一人の男性から自分も特別で最高のただ一人の女性と思われたいし、綺麗なドレス姿でも、ぼろぼろの服を着ている状態でも同じように愛されていたいいのだろうと思います。


 あとアリババと40人の盗賊のモルジアナのような身分の低い女性が知恵でのし上がっていく話も面白いと思いますが女性的にはあんまり共感できないのでしょうね。

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― 新着の感想 ―
[一言] ディズニー映画で、昔はシンデレラとか王子様や殿方と出会って幸せになるのが主流だったけど、今は価値観が変わって、アナ雪みたいに姉妹で頑張って王子様はむしろ邪魔だったり、ヒロインが自分の力で事態…
[一言] むしろ、ざまぁ系であるのを知らず、出世譚や成り上がりや玉の輿だと思われてるから人気なのでは? シンデレラ・ストーリーとか、シンデレラ・ボーイなんて言われる人生は、間違いなくそっち系ですし。…
[一言]  確かに男爵家とかの家格の低い場合、王子とは結婚出来ずに曾根崎心中の様になりそうですね。  このジャンルは完全にジャパナイズされて居るかと問われる否であり。一皮むける可能性を秘めていますね…
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