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28 驚いたんだよ。俺のレベルに

「テメー……何で、そう思った?」


 メグトロンの表情から、笑顔が消えている。


「さっきコイツ――女神に付着した液体を見て、気づいたんだ。……何匹ものスライムが、液体から零れ落ちたのをな」


 俺は粘着液を両手ですくってみせる。

 松明の光に当ててみると、無数にスライムが重なっている姿が、鮮明に写しだされたのだった。


「本当だ……これ、スライムです……。うわっ、気持ちわるっ!」


 プリメラの何気ない一言に反応したのか、メグトロンの眉間に皺が出来ていた。


「……よく見破ったと褒めてやるよ。……だが、だから何だってんだ?んなもん分かった所で、テメーとオレの優劣は何も変わっちゃいねーんだぜ?」

「焦るな。秘密を三つ明かすと言っただろう? まだ二つ残っているぜ?」


 俺はこれ見よがしに、ピースサインを作ってやった。

 二つ目の秘密を暴く前フリだ。


「お前の無駄に高いレベルの根拠を話してやるのさ。……とは言っても、簡単な話だ。無数のスライムーーレベル一以下のザコ共を繋ぎ合わせて、あたかも強力なように見せている。……それだけなんだけどな」

「ザコ共……だとぉ……」

「ミミ久さん……そ、そろそろ、やめた方が……」


 さすがにプリメラも、俺の挑発行為に気がついたらしく、オロオロしている。

 だけどもう、手遅れだ。

 メグトロンの感情が爆発する寸前なのは、見れば分かる。


「テメー……オレが、……オレたちが、ただの寄せ集めだと! ……そう言いてえのか、……ああぁ!」

「俺にはそう見えているんだよ。お前の全身にスライム:レベル一の表示がズラッとな」

「だからどうした!テメーにそう見えようと、オレは確かに強さを手に入れた! 何者にも劣っていたスライムから、……何者をも従えるダンジョンのボスに昇格したんだ!」


 メグトロンがーーズンッ! と、力強く足を踏み入れる。


「確かにオレはザコだった。そこらのスライムの一匹に過ぎなかった! 来る日も来る日も狂暴なモンスターたちに怯える毎日! そんな時に偶然、スライム同士で合体できるって知ったら人生変わった! しかもその分強くなるんだから、利用するしかねーって……、おかげで今はこの通り!」


 白目をむき、口からよだれをまき散らす。

 俺たちに迫ろうと何度も足を進めていく。

 メグトロンは感情をぶつけるかのごとく、吐き散らす。


「オレには力がある! 地位がある! 品格がある! 部下もいる! ドラゴンもいる! オレには全てがある!」


 段々と調子づいていくメグトロン。


「それに比べて、テメーらに自慢の武器はねー! レベルも足りていねー! 仲間は足手まといで何もねーじゃねーか! さあ、次はどうする? どんな手を使う? どんな無駄なあがきを……!」


 永遠に続くかと思われた講釈。

 しかし、その歩みは、ピタリ……! と、止まってしまった。


「な……な……」


メグトロンが、目を見開いている。


「え……?い、一体、何があったの……?」


 プリメラも、困惑している様子だ。


「…………!」


 メグトロンが目を見開き、口をだらん、と大きく開き、額から大量の汗を流している。

 まさに、驚愕している……といった表情だ。


「き、きさ……貴様!……なに……!」


 フフッ。ようやく気がついたか。

 俺には分かっているぞ。

 メグトロンが何に対して驚いているのかを。


「み、ミミ久さん? 一体、何が……?」

「驚いたんだよ。俺のレベルに」

「ええっ!」


 プリメラまで驚いた声をあげてしまう。

 いや、この子が分からないのは無理もないか。

 女神はうなづいているようだから分かっているんだろうけど……。


 メグトロンだ。

 見えている方が、より恐怖を覚えるというものだろう。

 レベルが見える能力が、仇になったな。


「な、なな……何だ!そ、その……れ、レレ……!」


 メグトロンの震えが止まらなくなっている。

 ボスの威厳はどこへやら。顔が青ざめているではないか。


「この際だ。プリメラも聞いておいてくれ」


 ここまで戦いに加わったお前にも、知る義務があるだろうからな。

 この俺の、いやミークの真の強さを。


「前にも言ったはずだ、俺にはレベルが見えていると。それだけではない。ステータスも同様なんだ」

「そ、そうだったんですか!」

「比較しやすいように、プリメラの方から明かしてやろう……



 プリメラ

 レベル 11 職業 魔法職・プリースト

 HP 41 MP 40 SP 10

 攻撃力 12 防御力 14

 魔攻撃 19 魔防御 18

 体力 8 敏捷 11

 魔力 23 運 15



……これは、魔法職らしく、魔力が優れ、攻撃力や体力が少ない、オーソドックスな内容だ。次に、メグトロンだが……」


 俺の発する言葉に身構えているのか、メグトロンからもプリメラからも、唾をのむ音が聞こえてきた。




 メグトロン

 レベル 113 職業 モンスター・洞窟最下層ボス

 HP 11905 MP 8921 SP 9047

 攻撃力 3914 防御力 2313

 魔攻撃 2051 魔防御 1872

 体力 3115 敏捷 3049 

 魔力 1514 運 20



……確かに、高いステータスだ。冒険者の限界に達している。いや、そもそもこの領域まで鍛えられる冒険者なんて、ごく僅かだろうな。さっきのプリメラと比べても、その差は歴然だ。まあ確かに、ダンジョンのボスを名乗るだけの事はある」

「あ、当たり前だ! オレにかかれば、どんなヤツだろーと手も足も出ねーんだよ!」

「フフッ……どうやら、ステータスまでは見えていないらしいな。そう思うなら聞くがいい。俺のレベルと……圧倒的なステータスをな!」


 メグトロンは強がってはいるが、表情は既に凍り付いている。

 相変わらずオドオドしているプリメラのためにも、ミークの圧倒的なレベルとステータス! ……ってヤツを見せてやらないとな。



 そう、ミミックと共に繋がっていた、ミーク・カロナヴィーナの本当の強さを!



 ミーク・カロナヴィーナ

 レベル 339 職業 ミミック族

 HP 20181 MP 16719 SP 19803

 攻撃力 8724 防御力 6512

 魔攻撃 8024 魔防御 6038

 体力 5493 敏捷 8195 

 魔力 3812 運 25



 公開してやった、その直後だった。



「「ええええええええええええええええええええええええええええええ……!」」



 やれやれ、二人してでかい声で騒ぎやがる。

 少しは俺の耳の事を考えてくれ。

読んでくださりありがとうございました。


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