表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不運からの最強男  作者: フクフク
幼少期後編
53/208

雨日の騒動_01



 今日も雨。この世界にも梅雨があるようだ。

 窓からはザァーザァーと、雨音が聞こえる。

 雨は嫌いではないけれど、連日になると、少し憂鬱な気分になる。

 六歳になり始まった父上指導の剣術の稽古も雨の日はない。

 もちろん、危険性が高くなるため、狩りや冒険は休みだ。

 屋敷内でゆっくりまったり過ごす……。

 書庫に籠り、読書を楽しむのも然り、急遽開催されるアンナの鬼マナー教室もあったりするのだが、今日は、自室にて砂と格闘していた。


「だめだ。均等に魔力が入っていない。失敗……」


 ゴロッと、濁った玉が机に転がる。

 ここ最近、時間が空けば、ガラス石作りに奮闘していた。

 以前マリー姉様に譲ってもらった『ガラス石』を解析したところ、材料は、魔力砂のみだった。

 魔力砂とは、魔力が濃い地域に発生する砂で、砂の成分に魔力が混ざり込んでいる。

 質の良い物は、高値で取引される素材である。

 特に『沈黙の森』の奥地にある魔力砂は、高級で魔力砂S+のランクである。

 素材にもランクがあり、SS、S、A、B、C、D、E、F の八段階で表し、同じAでも五段階あり、A--、A-、A、A+、A++ となる。

 その中でも、魔力砂S+は、ガラス石の材料に適している。手元にあるリンネ製のガラス石の材料も、魔力砂S+が使用されていた。


 ただハクと出会って以来、『沈黙の森』へは行っていない。

 なんとなくだが、今は行ってはいけない気がするのだ。

 俺は直感を信じるタイプだ。

 ハクにもそれを伝えると「行かないほうがいい」と、同意してくれた。

 俺と同じく、あまり良い感じがしないとのことだった。



 **********************


 精霊の森の深奥の砂も使えます。


 **********************



 精霊の森は、場所がわからないので、いいや。



 **********************


 場所検索は可能です。


 **********************



 関わりたくないので、調べる必要はないです。



 **********************


 非常に残念です。


 **********************



 ヘルプ機能との会話を思い出す。

 ことあるごとに、精霊の森を推すんだよね。

 ゴリゴリ推している様子から、ヘルプ機能は、精霊の森に行って欲しいのだと思う。

 ヘルプ機能には、大変お世話になっているので、希望を汲んであげたいのは山々だが、今抱え込むには大き過ぎる問題なのだ。

 だから当分の間、待ってください。


 ガラス石だが、その作製方法は、魔力砂に均等に魔力を注ぎ、透明な玉を形成していけば完成だ。

 透明度が高ければ高いほど、ガラス石の品質が高い。

 説明すると簡単なのだが、この均等が難しいのだ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ