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不運からの最強男  作者: フクフク
幼少期後編
40/208

ハク_01



 ハクとの契約は、血契約だった。

 血契約とは、古の魔法の一種で、上級魔獣や聖獣などに限定された特殊魔法だそうだ。

 契約者の血を体内に入れ、絆を繋ぎ、支配を受けるとのことだ。生涯に一度しか使えない魔法でもある。

 この情報は、ヘルプ機能からです。



 **********************


 最近出番がなく、ご主人様に嫌われたかと思いました。


 **********************



 えー……。拗ねてました。

 出番って、いや鑑定はよく使っていましたが……。



 **********************


 そうではなく、ご主人様との会話です。


 **********************



 あっ、掘り下げのことですね。

 いやー……。最近は、鑑定の情報だけで満足していた。

 単に掘り下げるほど、興味を引くものがなかっただけなのだが、これからは定期的に掘り下げることにする。

 ヘルプ機能のご機嫌をそこねることだけはしたくないしね。まじ生命線だから。

 じつは、ハクにもヘルプ機能の声が聞こえている。

 魔契約したので、聞こえるようにしたとのことだ。

 さすがヘルプ機能、有能だ。そしてその能力が、摩訶不思議すぎる。

 もう、突っ込まないけどね。


「ガウー……?(なにこの声……?)」

「俺のスキルのヘルプ機能」

「ガウッ?(スキル。ヘルプキノウ?)」



 **********************


 はい。ヘルプ機能です。よろしくお願いします、ハク!


 **********************



「ガウッ!(よろしく!)」


 はじめは戸惑っていたハクだが、すんなりヘルプ機能を受け入れた。

 順応はやくねーー。もう少し動揺してもよくねーー。

 頭に知らない声が響くんだよ。会話してくるんだよ。俺ならプチパニックだ。

 ってか、ヘルプ機能、普通によろしくしていますよ。



 **********************


 待っていて下さい。あと少し魔力値が上がれば、自由にできます。


 **********************



 あっ! なんだか変な宣言をしている。しているよーー。

 俺は、なにも聞こえていない。聞こえていないからね。


 ヘルプ機能が暴走する前に会話を強制的に終え、部屋で寛ぐハクと向き合う。

 もちろん、毛をモフ……撫でることは忘れない。


「古の契約か」

「ガウッ!(すごいだろ!)」

「うん。すごいとは思うけど、もっと慎重に契約するべきじゃなかったのかな?」

「ガウッ。ガウガウッ(ジークベルトがいい。だからいいんだ)」

「生涯一度の契約に俺を選んでくれて、ありがとう」

「ガゥ(うん)」


 ゴロゴロと喉を鳴らしながら、返事をするハク。

 よほど毛を撫でられるのが気持ちいいのか、尻尾がパタンパタンと上機嫌に揺れている。

 ほんと、かわいいな。あぁ、幸せだ。

 この艶、毛の滑らかさ、文句のつけどころがない。

 それにしても、こんなにかわいい子を傷つけた冒険者許すまじ。

 




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