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不運からの最強男  作者: フクフク
幼少期後編
39/208

出会い_03



「聖獣との契約って、まずいよなぁ……」


 俺はそう呟きつつ、膝の上にいる白のモフモフを撫でていた。

 ゴロゴロと喉を鳴らす白虎。見た目はホワイトタイガーの赤ちゃんだ。

 んー……。モフモフは正義だ!

 考えることを放棄してすぐ、白虎に膝の上に乗るようお願いした。

 そして毛をモフることに了承してもらい、堪能すること一時間。そろそろ現実を見ることとした。

 頭を整理するには、癒しの時間も必要なのだ。


「マリー姉様に相談するしかないよな。魔獣の赤子でとおせるかな。いやそれしか選択肢はないね。外見上、魔物は無理だ。魔獣で押し通すとして、魔契約は隠すべきだね」

「ガルゥ?(マリー?)」

「俺の姉様だよ。とても優しくて、可愛い人だよ。ただブラコンが異常だけどね……」

「ガルゥ?(ブラコン?)」

「えーーと、俺のことが好きすぎることだよ。説明、間違ってはないはず」

「ガルゥ!(ジークベルト、好き!)」

「えっ、ありがとう。俺も好きだよ。そういえば白虎って名前あるのかな?」

「ガルゥ?(名前?)」

「じゃ、ぼくが付けていいかな」

「ガウッ!(いいぞ!)」

「よかった。じつはもう決めていたんだ。『ハク』ってどうかな」

「ガゥ!(ハクだ!)」

「気に入ってもらえてよかったよ」


 ハクは、尻尾をパタパタと動かして、俺の身体にすり寄ってくる。

 名前が相当お気に召したようだ。

 よかった。ボキャブラリーがないって否定されたらどうしようかと思った。

 真っ先に頭に浮かんだ名前だった。前世の記憶がよぎる。これも運命なのかな。


「ハク」

「ガルゥ?(どうしたの?)」

「ハクは、今日から俺の相棒だ」

「ガウッ!(相棒!)」

「ただ一緒に過ごすには、俺たちの世界のルールに合わせてもらうよ」

「ガウッ!(まかせろ!)」

「ありがとう。まず俺とハクの契約は秘密だ。そしてハクが白虎であることは絶対にバレてはいけない」

「ガルゥ?(どうしてだ?)」


 ハクにとっては思ってもいなかった言葉だったのだろう。

 上目遣いで俺を見ながら、コテンと首を傾けた。

 その仕草に、俺は悶絶する。

 なにこの子。あざとっ! めちゃくちゃかわいい! かわいすぎる! 

 あぁもう、かわいいも正義だ!


「ハクは、稀少な聖獣なんだ。聖獣だとわかれば多くの人がハクを求めてしまう。今回のように強い人がハクを無理矢理連れて行くかもしれない。今の俺の力では、守ってやることができないんだ」

「ガウゥ(ハクもよわい)」

「うん。だから二人で強くなろう!」

「ガウッ!(強くなる!)」

「それでね、ハクの見た目が魔獣のブラックキャットに似ているんだ。だからブラックキャットとして姉様たちに紹介するね。ただブラックキャットは、毛が黒いので、特殊変異で毛が白いってことにしようと思う」

「ガゥ!(わかった!)」

「うん。まずはマリー姉様の説得だよ。頑張ろうね、ハク!」

「ガウッ!(がんばる!)」






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